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HRtech基礎講座 第1回 「HR Techのトレンド」

2016/09/30基礎

HR Techの定義

HR領域において、最先端技術を活用した、次世代のビジネスモデルもしくはサービス

「HR Tech」とは、“HR(Human Resource)× Technology”を意味する造語である。クラウドやビッグデータ解析、人工知能(AI)など最先端のIT関連技術を使って人事関連業務を行う手法のことであり、その導入は採用やタレントマネジメント、リーダー育成、評価、給与計算、業務改善など幅広い領域におよんでいる。

すでにHR業界、IT業界、インターネット業界の大企業だけでなく、多くのスタートアップ企業もHR Tech関連サービスを開発しており、米国ではすでに企業価値が10億ドル(約1000億円)を超えるユニコーン企業が登場するなど、巨大ビジネスに成長する可能性も期待されている。

HR Techは今後も大きく変化を遂げていくことが期待される分野であるため、その定義を本コンテンツでは 「HR領域において、最先端技術を活用した、次世代のビジネスモデルもしくはサービス」と最低限のものにとどめ、「HR Techのトレンド(第1回)」、「HR Techがもたらす変化(第2回)」、「これからの人事部に求められるもの(第3回)」について解説していく。

HR以外の領域でも加速するデジタルシフト

HR Techのみならず、Fin Tech(金融)、Ed Tech(教育)、Ad Tech(広告)、Re Tech(不動産)、Fashion Tech(ファッション)など、既存領域にテクノロジーを掛け合わせた多くの「◯◯ Tech」が注目を集めている。

これらの背景には、人工知能(AI)、機械学習、ディープラーニングほか、IoT(Internet of Things)、VR(バーチャルリアリティ)、ロボット技術などの発展があり、今まで「勘と経験」に多くを頼っていたものが分析・可視化・再構築され、業務を大きく変えていく可能性がある。

以下の表は、各領域における「◯◯ Tech」の例である。いずれもテクノロジー活用により、既存の業務や提供価値を大きく変えていくことが予想されている。

名称(領域) 新しいサービスの例 (期待・見立て・可能性を含む)
HR Tech(人事・人材 ) 非構造の自然言語解析による高精度マッチング、セミナー分析、ビッグデータを元にしたPeople Analytics、最適配置、労務業務の生産性向上、タレントマネジメント、WEB面接、福利厚生パッケージ、退職者予測 など
Fin Tech(金融) スマホカード決済、個人間決済、資産管理、クラウド会計サービス、金融情報、PFM(個人金融資産管理)、クレジットスコア、ソーシャルレンディング、仮想通貨 など
Ed Tech(教育) MOOC(大規模オンライン学習)、TTL(教育管理システム)、LMS(学習管理システム)、C2C個人間レッスン、教育ノウハウ共有、オンラインチューター など
Ad Tech(広告) DSP、SSP、RTB、DMP、アドネットワーク、アドエクスチェンジ、ディスプレイ広告、広告効果測定ツール など
Re Tech(不動産) IoTエネルギーマネジメントプラットフォーム、テナント管理プラットフォーム、オフィス稼働状況分析サービス、VR不動産プロモーションツール、空きスペースのマッチングサービス など
Fashion Tech(ファッション) バーチャルフィッティング、デジタルファブリケーション、バーチャルクローゼット、C2Cマーケットプレイス、オンラインクリーニング など

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