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圧倒的な生産性向上が実現する「RPA革命」の衝撃
~人事部門に求められることとは?~

一般社団法人日本RPA協会 代表理事 / RPAテクノロジーズ株式会社 代表取締役社長/
大角 暢之さん

RPAによって実現するルーティンワークからの解放

実際に現場へRPAを導入する場合、どのような点に留意すべきなのでしょうか。

私があえて「デジタルレイバー」という言葉を使っているゆえんでもありますが、あくまでHR Techの一環として、人をマネジメントするのと同じようにデジタルレイバーを「マネジメント」してほしい。RPAそのものに価値があるわけではなく、「何のためにデジタルレイバーを使い、何をさせるか」が重要なのです。何の業務で時間を取られ、苦労しているかをしっかり見渡してみることです。

一般社団法人日本RPA協会 代表理事 / RPAテクノロジーズ株式会社 代表取締役社長 ビッグデータイノベーション推進部長 大角 暢之さん

例えば、アパレル業界の商品管理業務。「ファッションが好き」「人と接するのが好き」という思いを持って仕事を始めたはずなのに、商品登録や発注、売上計上、在庫照合などに追われている。あるいは、ルート営業のセールスパーソンが朝から晩まで外回りをしてヘトヘトなのに、どんなに遅くなっても一旦事務所に戻って在庫を確認することが義務付けられている。果たして、本当にそういう仕事がしたくて、その会社に入ったのでしょうか。そうではないはずですよね。当社のビズロボを導入してくださった、オリックスの片平聡(常務執行役 グループCIO)さんは「人生を浪費しているんじゃないか」とおっしゃっていました。テクノロジーで解決できるはずなのに、ルーティンワークに人間の能力を使いすぎているんですよ。人間にはもっとふさわしい業務があり、能力を発揮できる場があるはずなんです。

実際、RPAが活躍する業務領域は多岐にわたります。契約管理事務や顧客管理事務など「ビジネスプロセス」、価格調査や特許検索など「情報調査/不正検知」、商品登録や在庫管理、受注など「電子商取引業務代行」、レコメンドやSNS投稿など「マーケティング」と、大まかに四つに分類できます。

どんな業務をRPAに任せるか、業務の棚卸しや作業プロセスの切り分けも重要になってきそうですね。

そのとおりです。そう考えると、HRにおいて非常に重要になってくるのが、タレントマネジメント。その人自身が10年、20年にわたって取り組んできた業務の中で育まれた視点にこそ、価値があるわけです。多くの日本企業には、BPR(Business Process Re-engineering=業務改革)やERP(Enterprise Resources Planning=統合基幹業務システム)など、これまでシステム化が検討されてきた中で、「これはシステム化できないだろう」と半ばあきらめられてきたアイデアが山ほどあるんです。その人が業務でどんな経験値を得てきたか、そしてどんな業務にストレスや違和感を覚えてきたか、改めて課題や問題点を洗い出し、人間とRPAのプロセスを最適な形に組み替えて分担することにより、大きなイノベーションが生まれると思います。

RPAの導入によって、これまでルーティンワークに従事していた人材が配置転換され、よりクリエイティブな業務で能力を発揮することが期待されていると感じます。しかし「定型的な仕事は得意だけれど、臨機応変な対応を求められる仕事が苦手」という人もいるはず。タレントマネジメントという意味では、そういった方々にとってふさわしい仕事はどのようなものになるのでしょうか。

そういう人こそ、まさにデジタルレイバーのマネジメントに向いている、といえます。これまでルーティンワークにおいて職人的な働きをしてきた人は、仕事のクオリティーにおいても意識が高いでしょうから、「人にお願いするよりもスピーディーにミスなく仕上げてくれるデジタルレイバー」は、願ってもない存在です。その経験をもとに、適切にRPAを設定できるでしょう。その代わり、非常に厳しい立場に追いやられるのは、「人に言われたことしかできない人」。ただ漫然と作業に取り組んできた人は、その仕事にも「命」がこもっていませんから。そういう意味では、今の管理職にこそ、立場が危うくなる人が多いかもしれませんね。


2017/11/13BizRobo!大角暢之RPAテクノロジーズRPA協会RPA/ロボティック・プロセス・オートメーションデジタルレイバー

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