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圧倒的な生産性向上が実現する「RPA革命」の衝撃
~人事部門に求められることとは?~

一般社団法人日本RPA協会 代表理事 / RPAテクノロジーズ株式会社 代表取締役社長/
大角 暢之さん

ますます重要になる「タレントマネジメント」

これからさまざまな領域にRPAが導入されていく中で、どんなことが可能になるのでしょうか。

RPAの導入にあたっては、四つのパターンがあると考えています。ルーティンワークを自動化する「ルーティン対応型」、経験値の高い人間が自身の仮説や直感をもとに、複雑な定型業務を自動化する「アイデア実行型」、ディープラーニングによって非定型業務や例外対応も自動化する「クラス2型」、そしてさまざまな企業や地方自治体、団体などと協働し、専門的なデジタルレイバービジネス、地方シェアードサービスを始めとした新規事業や雇用創出を行う「イノベーション型」です。

RPA導入のパターン(「一般社団法人日本RPA協会」資料より

RPA導入のパターン(「一般社団法人日本RPA協会」資料より

現在、日本企業において導入されているRPAのほとんどは「ルーティン対応型」か「アイデア実行型」です。しかし、これからの技術進化や急速に変化する社会構造の中で、「クラス2型」あるいは「イノベーション型」の事例がますます増えていくのではないかと思います。

実際、私たちの取り組みとしても、「イノベーション型」のビジネス事例が形になりつつあります。日本CFO協会との協働で「次世代の経理パーソン」を育てるべく、「AI・ロボティクス(RPA)部会」を発足したり、経営会計情報システムのビジネスブレイン太田昭和と業務提携して、新たなRPAのBPO サービスモデルを立ち上げたりしています。また、住友林業は新規事業としてデジタルレイバープラットフォームを開発し、RPAを「社員」に見立て、各部署へレンタルするサービスを開始しました。エン・ジャパンも、RPAを活用した採用業務代行サービスを提供しています。

これからもこの流れは続き、バックオフィス業務を地方のシェアードサービスセンターに集約することも考えられるでしょう。自らが置かれた業界、あるいは業務に対して「どうしてこうなっているのか」「こうすればいいのに」と、明確な問題意識、「Why」と「Wish」を持っている人のいるところにRPAを導入すると、一気にイノベーションを起こすことができます。

これから、人事はどんな人を育成し、採用していくべきでしょうか。

まずは急速に拡大するニーズを踏まえ、RPAを作れるように人材を育成していくこと。私が新卒の時はちょうどウィンドウズがオフィスに導入されたばかりで、エクセルやワードが使えるだけでも「デキる人」のような扱いをされましたが、それと同じです。特に若者は先入観なく新しい技術を習得することができますからね。今、当協会でも「行政・アカデミア分科会」を設立して、高校生や大学生などに向けてRPAの教育支援を行っています。早いうちからRPAを作れるようになるに越したことはありませんが、企業としては少なくともRPAにどんな指示をし、どんな作業をしてもらうのか、マネジメントできる人材の育成が不可欠です。

企業にいる多くの人が「イノベーションを起こせ」「働き方を改革しろ」と言われていますが、どのようなプロセスを踏めばいいのか、途方に暮れているのが実情でしょう。これからRPAが普及し、ショーケースとなるような事例が増えていけば、「これなら自分たちにもできるかもしれない」と思えるようになると思います。AIだとあまりに高度すぎて、自分たちの業務プロセスにどう組み込めばいいのかわかりにくいかもしれませんが、RPAは派遣社員やアルバイトに頼むのと同じように、業務を指示すればいいわけですからね。

また、「これからの採用」を考えると、先ほど話したようにタレントマネジメントが非常に重要です。RPAが普及し、人が「やらなければならないルーティンワーク」とそれに伴うストレスから解放されることによって、多くの人が「本当にやりたいことを仕事にしたい」と考えるようになるでしょう。また、働き方改革に伴い、「働きたい場所で働く」という傾向も強くなっていきます。当社でも、社員には「オフィスに来なくていい」と話しています。“Wish”を形にしていくために、むしろパートナー企業と一緒に仕事をしたほうがいいですからね。「苦役」的なルーティンワークがなくなり、生産性が向上し、どんな場所でも働けるようになる中で重要なのが、企業と従業員の接点を明確にすること。つまり、そこに共有できる夢やビジョン、価値観があることが重要なのです。

今の若者は、直感的に時流を捉えた会社を選んでいますよね。「複業・兼業 OK」の企業が人気ですが、「一生そこに居続けなければいけない企業に入る意味はあるのか」と感じている。待遇や給与面で優遇されるよりも、「自分のやりたい仕事ができる企業」「未来へ向かってチャレンジしている企業」が選ばれているということでしょう。「うちの会社のために働け」ではなく、「社会のために働こう」ということ。そんな中で人事部門に求められているのは、確固たるビジョンや価値観を共有できるような企業風土づくりではないでしょうか。

取材は2017年10月17日、東京・港区のRPAテクノロジーズ本社にて

(取材は2017年10月17日、東京・港区のRPAテクノロジーズ本社にて)

 


2017/11/13BizRobo!大角暢之RPAテクノロジーズRPA協会RPA/ロボティック・プロセス・オートメーションデジタルレイバー

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