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認知行動療法のエッセンスを取り入れた睡眠コーチングアプリで従業員の睡眠力アップにつながる生活習慣改善を支援する「Sleep Styles 睡眠力向上プログラム」

帝人株式会社 デジタルヘルス事業推進部 B2B推進グループ リーダー

出井 丈也さん

帝人健康管理・メンタルヘルス実践

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出井 丈也さん(帝人株式会社 デジタルヘルス事業推進部  B2B推進グループ リーダー)

睡眠は人の健康における基盤です。従業員に睡眠の課題があれば、仕事にも大きく影響します。そこで帝人株式会社では、従業員の睡眠状況を把握し、睡眠に関する生活習慣の改善を支援する「Sleep Styles 睡眠力向上プログラム」を開発。眠り方改革によって従業員のパフォーマンスを高め、企業の活力と生産性向上を目指しています。「スリープチェック」という問診によって睡眠の課題を判別し、課題に合わせたオンライン学習コンテンツの提供やスマートフォンアプリによる睡眠コーチングを行うことで睡眠にとって良い生活習慣の改善と定着化を目指す、本プログラム。同社 デジタルヘルス事業推進部 B2B推進グループ リーダーの出井丈也さんに、その詳細や導入事例、事業戦略をうかがいました。

睡眠に対する課題が従業員や企業の生産性にも影響を及ぼす

デジタルヘルス事業領域で、特に睡眠にフォーカスされた理由は何でしょうか。

当社ではヘルスケア事業において、20年近く睡眠時無呼吸症候群に関わる診断機や治療器を提供してきました。そこで培った知見を生かしつつ、医療という観点だけではなく、予防にまで踏み込んだ事業を展開していきたいと考えました。

また、近年は健康経営や働き方改革に取り組む企業が増えており、従業員は適正な労働時間で多くのアウトプットが求められています。そのため、就業中は100%の状態で業務に当たらなければいけませんが、実際には、睡眠に関する課題を抱えながら働いている方が少なくありません。日中に眠い状態で仕事をしていて、判断力や物事を考えるスピードが低下していると感じたことのある人も多いのではないでしょうか。

ストレスが重なってうつ病になる人には、眠れない人が多いといいます。布団の中でついつい考えごとをしてしまい、いつも寝つきが悪いという人もいるでしょう。こうした状況を改善したいと考え、睡眠にフォーカスしたプログラムを開発しました。

どれくらいの人が睡眠に問題を抱えているのでしょうか。

厚生労働省が策定した「健康づくりのための睡眠指針2014」によれば、国民の五人に一人が睡眠に問題を抱えているとされています。当社が独自に行ったインターネット調査でも、睡眠に問題がある状態の人の割合は2割で、同じくらいでした。また、不眠の可能性がある予備軍は3割で、合計すると5割となり、二人に一人は睡眠に何らかの問題を抱えている可能性もあるとわかりました。

このように日本人の多くは、睡眠に関して問題を抱えていますが、そのリテラシーは低い状態にあります。「Sleep Styles睡眠力向上プログラム」を導入することで、全ての従業員の方々に睡眠の重要性を知ってほしいですね。

「Sleep Styles 睡眠力向上プログラム」の特長について教えてください。

眠れない理由は、「寝付きが悪い」「寝ている途中で目が覚めて眠れなくなる」「睡眠中に無呼吸状態になっている可能性がある」など、いくつかのパターンに分かれます。そこでまずは、睡眠で悩んでいる人にどのような課題があるのかを明確にし、その課題に応じた生活習慣改善メソッドの実践と定着化を目指します。これが「Sleep Styles 睡眠力向上プログラム」のコンセプトです。

まずは、従業員がスマートフォンから「スリープチェック」という問診に回答した結果を分析。睡眠傾向を「緊張型」「リズム不調型」など5種類に分類し、回答者に睡眠タイプの特長を伝えるとともに、タイプ別のオンライン学習コンテンツの提供や睡眠力向上に向けたアドバイスを行います。プログラム全体の期間は8週間です。

「Sleep Styles 睡眠力向上プログラム」の概要

「Sleep Styles 睡眠力向上プログラム」の概要

なかなか寝つけない方やストレスを抱えやすい方には、携帯型デバイスとアプリを組み合わせた「2breathe(ツーブリーズ)」を提供。「SAS(睡眠時無呼吸症候群)疑い」とタイプ判定された方には、グループ会社のSAS企業検診サービスと連携するなど、帝人グループならではの総合的なサービスを提供することも可能です。

またプログラム導入前や検討段階で、管理者側で従業員に睡眠課題があるかどうかを確認するために、「スリープチェック」を単体で提供することも可能です。プログラムと同様に睡眠タイプ判定と、タイプ別のアドバイスシートを提供します。企業の管理者の方々には、睡眠に課題のある従業員の割合、リスクの度合い、また、メンタルやフィジカル、パフォーマンスと睡眠との関係を分析して結果を提出します。この結果はあくまで部署やグループ単位での分析データであり、従業員個人を特定するような内容は含まれていません。

「スリープチェック」の分析レポート例

「スリープチェック」の分析レポート例

睡眠に関わるリスクを把握・改善することで働き方改革につながる

実際にプログラムを受けた企業からは、どんな声が聞かれますか。

思った以上に睡眠の問題を抱える従業員が多いことに驚かれる企業が多いですね。「Sleep Styles 睡眠力向上プログラム」では睡眠自体の問題だけでなく、フィジカルやメンタル、パフォーマンスとの関係も示しますが、分析内容が詳細だという声もいただいています。部署別の分析結果を報告することもありますが、興味深いのは、その内容とストレスチェックの結果がマッチしているケースが多いこと。ストレスの高い人ほど、眠れていない状況にあると考えられます。

実証実験で本プログラムをご利用いただいた株式会社フジクラでは、参加された従業員のうち、20%程度に睡眠に問題がありました。その後、スマートフォンアプリを使った睡眠に関する学習などによって10%を切るレベルまでに良化した結果を確認できています。

人事や経営層に導入のメリットを伝えるとすると、どんな点が挙げられますか。

従業員の中に睡眠リスクの高そうな人がどの程度いるのかを把握しなければ、企業は対策を立てようがありません。そのため、まずは企業が従業員の状態を知ることが重要です。課題がわからないという場合はまず「スリープチェック」を通じて従業員の睡眠課題を確認することからはじめることをおすすめします。睡眠に問題のある人がいるとわかったら、「SleepStyles 睡眠力向上プログラム」を実施し、フィジカルやメンタル、パフォーマンスの部分を含めた生活習慣を改善させる取り組みをすすめていただきたいと思います。改善されれば、働く個人や企業の生産性向上へとつながるでしょう。

睡眠の問題は当事者自身が良くなったと思わないと、客観的な成果につながりません。プログラムを行うことによる、従業員へのメンタル面への効果にも注目してほしいですね。そのほかにも、睡眠は人の健康における基盤となるので、今後は特定保健指導や重症化予防、復職支援、危険作業の安全管理などのさまざまなシーンに対応できるよう、サービスを拡充していきたいと考えています。「健康経営銘柄」や「ホワイト500」認定の取得のため、また、働き方改革に関する施策を支援するツールとして、ぜひ本プログラムをご利用ください。

企業概要
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帝人健康管理・メンタルヘルス実践

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