HRテクノロジーを誰もが活用できる環境をつくる
採用成功・採用管理・勤怠管理など、
あらゆる人事業務を支援する「リクナビHRTech」
株式会社リクルートキャリア エージェント事業本部 事業企画統括部 事業推進部
HRテクノロジー推進グループ マネジャー
南雲亮さん
便利な機能を多数搭載した業務支援ツールが世の中にあふれていますが、実際に使いこなせなければ無駄になってしまいます。高価なツールへの投資に、企業が躊躇するのは無理もないこと。ましてや直接的な利益に結びつかない人事業務用ツールともなればなおさらです。人事業務は多くのデータを扱うにもかかわらず、紙の書類やエクセルといったアナログな方法でデータを管理する企業がいまだに多い背景には、こうした課題があります。そんな中、導入数を急激に増やしているのが、リクルートキャリアが提供する「リクナビHRTech」。同サービスの特長や導入メリットなどについて、事業責任者の南雲亮さんにうかがいました。
導入しやすい価格とシンプルな操作で、
誰でもできるテクノロジー活用を
サービス開発の背景には、どのような思いがあったのでしょうか。
近年、日本でもHRテクノロジーへの関心は高まっています。しかし、実際にテクノロジーを活用して人事業務を行っている企業は、まだ一部の企業に限定されるのではないでしょうか。HRテクノロジーの導入事例としてメディアに取り上げられているのは、大手企業や、テクノロジーを活用しているイメージがある先進企業がほとんどです。既存のHRテクノロジーツールも、そうした一部の企業向けになっているのが実情ではないか、という課題を感じていました。
日本には法人企業が200万社弱存在しているといわれますが、そのほとんどは中小企業です。この事業を立ち上げる際に、そうした企業の方々とお話しすると、「HRテクノロジーは難しい、何を使ったらいいかわからない」という声が多くありました。そのため、不便さを感じながらも、紙の書類やエクセルで情報を管理しているのが実状です。
一部の先進企業とその他の企業で、二極化が進んでいるわけですね。
まさにそのとおりです。当社はこれまで、採用を中心としたサービスを提供してきました。このたび、人事への業務支援システムの開発に乗り出したのは、こうした課題を解決し、多くの人事担当者が感じている「不」を解消することこそ、人材業界のリーディングカンパニーである当社の使命だと感じたからです。現在提供しているツールは、すべて初期費用無料。シンプルな操作と導入しやすい価格設定で、HRテクノロジーを誰もが活用できる環境をつくりたいと考えています。
「 リクナビHRTech」の導入で、具体的にどのようなことが可能になるのでしょうか。
現在提供しているツールは「転職スカウト」「採用管理」「勤怠管理」の三つ。人事の方々からの声で、特に要望が多かったものです。いずれも、人事業務の「効率化」と「可視化」につなげることを意識しています。
最初に提供した「リクナビHRTech 転職スカウト」は、ダイレクトリクルーティング業務の工数を削減したツールです。採用手法の一つとして、企業から人材に直接アプローチするダイレクトリクルーティングが注目されていますが、どのように始めればいいのかわからないという企業がまだまだ多いようです。そこで、システム上で候補者をピックアップし、担当者が「○」「△」「×」を付けるだけでスカウトを送れるようにしました。独自のアルゴリズムで、応募可能性と合格可能性を鑑みて候補者をレコメンドすることで、効率よく候補者を探すことができ、さらに判定結果を機械学習することにより精度を高めていきます。
「 企業が自分を評価してくれている」ことは、候補者にとって心が動く大きな要素になるようです。その差は、導入企業の応募喚起率の向上として表れています。効率的にリクルートの膨大な求職者データベースにアプローチすることが可能になり、企業規模にかかわらず優秀な人材との出会いを創出できています。
「 リクナビHRTech 採用管理」はどうでしょうか。
こちらも、採用管理の効率化と可視化に注力したツールです。候補者の応募経路や、選考プロセスのデータを、あとで分析できるようにきちんと蓄積し、選考の改善サイクルを回すことができている企業は多くありません。また、複数の紹介会社とのやり取りに追われ、選考に時間がかかってしまっているケースも少なくない。これでは、採用の売り手市場で各社が人材を奪い合う中で、採用を成功させることは困難です。
そこで「リクナビHRTech 採用管理」では、採用にかかわるすべての情報を一元化し、紹介があった候補者が自動で反映されるようにしています。合否もツール上で入力するだけで各紹介会社の営業担当に届き、誤送信も防げる仕組みです。さらに、利用するうちにデータが蓄積され、紹介経路ごとの効果や、期間ごとの採用成果などもわかるようになります。
使いやすさで導入後の定着を後押し
業務効率化のために使っていくと、自然にデータが集まり、可視化が実現されるのですね。
そのとおりです。重視したのは、直感的に操作できる、シンプルなツールにすることでした。中小企業の人事担当者はツールになじみがないことも多く、いくら便利でも操作が複雑だと、関係者全員が使える仕組みとして定着させるには負担になってしまいます。本当に必要な機能に絞り込むことで、導入してからのハードルをできる限り下げ、「自然にデータを収集できる状態」を実現できるようにしています。
「リクナビHRTech 勤怠管理」も、リアルタイムで勤怠の打刻・申請を管理することで、勤怠情報が自然に可視化され、労働時間が長くなっている従業員の発見や、エラーのない正確なデータの把握をすることができます。これまでタイムカードなどで管理していた企業が、運用を正確に行うことで大きな管理リスクを減らすことができるのです。テレワークなどの制度の導入を検討されている企業にも、お役立ていただけると思います。
今後、「リクナビHRTech」として、どのような展開を考えていますか。
現在提供しているのは転職スカウト、採用管理、勤怠管理の三つのサービスですが、人事業務の課題はこれらに限りません。今後はさらに、人事業務の「不」を解消するための支援ツールの提供を加速させていきたいと考えています。当社が目指しているのは、一人でも多くの人が「働く喜び」を感じられる社会を創ること。いきいきと働ける人を増やせるよう、価値を提供していくことこそ、リクルートキャリアの役割だと思っています。
本社所在地:東京都千代田区丸の内1-9-2
グラントウキョウサウスタワー
問合せ先:tel.03-3211-7777