2016/09/30基礎
HR Techの例
HR Techの分類
前回(第1回)でトレンドについて解説したHR Techであるが、採用、育成、タレントマネジメント、労務管理、福利厚生など、適応できる範囲は広い。たとえば「採用」に限定しても、少なくとも以下のように分類される。
ご覧の通り、その多くはAIやディープラーニングの活用、自然言語解析技術の向上、通信インフラの発達、ソーシャルグラフ活用などにより、選考時のミスマッチ低減や、より最適な人材の獲得を目指している。
母集団形成 | |
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アグリゲーション型求人サイト | 複数の求人媒体をクローリングして情報を収集。 |
求人票分析求人票分析 | 求人票に記述されているテキストを分析し、効果を予測できる。 |
採用特化型CMS | 自社の採用サイトや求人ポジション画面を制作できる。 |
ソーシャルリクルーティング | SNSやソーシャルグラフを活用し、人材を発見・評価・スカウトできる。 |
リファラルリクルーティング | 社員紹介による採用を、活性化・管理・省力化できる。 |
スカウトツール | 登録者DBを検索し、企業内採用担当が自らメッセージを送信できる。 |
職種特化型求人サービス | エンジニアやデザイナーなど、職種ごとに最適化された求人サービス。 |
転職口コミサービス | 企業ごとに、元従業員などの口コミなどを掲載・閲覧できる。 |
社員以外の採用 | 契約社員とフリーランスのマーケットプレイス。 |
選考 | |
実務スキル評価 | 実務スキル評価 問題を解いてもらい、エンジニア候補者のスキルレベルを測定できる。 |
動画面接(リアルタイム) | リアルタイム動画による面接。録画したものをベースに分析可能。 |
動画面接(投稿) | あらかじめ設定した設問に対し、動画により24時間回答受付が可能。 |
候補者管理 | |
採用管理システム | 採用管理システム 候補者、職務、入社後評価データなどから、より最適な候補者をシステムが選出。 |
また、採用以外の人事業務はどのように変わっていくのか。まだ試行錯誤段階のサービスやプロダクトも多いが、以下のような発展が考えられる。
人事業務 | 従来の姿 | 今後の可能性 (あくまでも一例) |
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採用 | コース別採用を実施し、候補者を大まかに分類。「面接官の主観」や「候補者の回答内容」への依存度が高い選考。 | 取得データに応じ、候補者一人一人に合わせた採用広報、選考項目、担当面接官を実現できる。ビッグデータ・ディープラーニングによる選考精度の向上、多面的な評価の実現。 |
育成・研修 | 入社年次や階級により、一律的に研修に参加。 | 個人ごとの業務習熟度や育成課題、今後のキャリア志向に応じた、最適な研修メニューを選出。 |
配属 | 属人的な「勘と経験」により、主観的に判断。 | 本人だけでなく、該当部署社員たちの「適性・評価・属性」データや業務特性を定量化して、本人と部署との相性を解析。主観と併せて判断する。 |
評価 | 考課者の主観に偏った評価。数少ないデータ項目による分析。(分析の精度が粗いことがある) | 取得できるデータ項目の増加や、より多面的なハイパフォーマー分析により、人事評価項目や採用ターゲットの見直しにつながる。 |
労務管理 | 書類作成や役所への届け出など、付加価値が低いオペレーション作業に工数がかかっている。 | 入退社手続きや、社会保険・雇用保険の手続きを自働化。書類を自動作成できるほか、役所への申請をWEB上で完結できる。 |
健康管理 | 健康管理は自己責任。健康診断結果と、本人との面談結果により判断。 | 簡易サーベイや、ウェアラブルデバイスなどから取得したデータにより、個人ごとのコンディションをリアルタイムに可視化できる。 |
働き方 | 遠隔地マネジメントの負荷を懸念し、在宅勤務・リモートワーク導入が進みづらい状態。 | コミュニケーションインフラの充実や、セキュリティ技術向上により、リモート状態におけるマネジメントやコミュニケーションのしやすさが向上。 |
リテンション | 予期せぬ退職申請が発生し、慰留や後任の補充に追われる。(リカバリーが難しい状態から対応開始) | 人事データ・業績データ・満足度調査データなどを元に、従業員ごとの退職リスクを分析することで、ハイパフォーマー流出を未然に防ぐ。 |