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IoW(Internet of Work Style)~生産性を26%向上させた日本マイクロソフトのICT活用事例~ (前編)

越川 慎司さん(日本マイクロソフト株式会社 業務執行役員)

働きたいけど働けない人をサポートするための仕組みづくり

日本マイクロソフト株式会社 中村 亮一さん

素晴らしい実績ですね。そうした自社で成功した実績を日本企業に対して、どのような提案を行っているのでしょうか。

日本が直面している課題として、(1)生産年齢人口の減少、(2)労働生産性、(3)労働時間が挙げられています。しかし、多くの企業においては、おもに介護や育児に関わる人にフォーカスしているのが現状のように感じます。そうではなく、労働する全員が活躍できる仕組みをつくっていく必要があると考えています

データを見てみると、日本では(1)生産年齢人口は2030年時点で1300万人の減少が見込まれており、(2)労働生産性にいたっては先進7ヵ国中19年連続で最下位という結果です。また、(3)労働時間においては、22%の労働者が週に50時間以上働いているという実情があります。

このような現状を踏まえ、実際に「全員が活躍できる仕組みづくり」に自社内で取り組んだ際に、私たちが直面した課題は、大きく「労働生産性」「コスト効率」「風土文化面」でした。

日本マイクロソフト株式会社 越川 慎司さん

先ほどもお話ししたように、私たちはそれらの課題に対して、ただITツールを導入すれば大丈夫といった解決策を提案しようとは考えていません。働きたいけど働けない人をどうするか、労働人口を増やすというよりは、労働の質を上げ、減らさない仕組みづくり。デジタル・IT面だけでなく、その前提としてのアナログ面での変革も含め、働きたい人がいつでもどこでも働ける環境を整えるためのITツールの使い方を提案しています。

こうした私たちの取り組みに賛同してくれている企業や政府団体とともに、日本マイクロソフトでは「働き方改革週間」といった運動を続け、発信を続けています。ご賛同いただいている企業の一例として、グローバル対応が必要とされてきたなかでの環境づくりの取り組みとして三井住友銀行様、ICTのクラウド改革に取り組まれている富士通様、資生堂様などが挙げられます。

私自身も実は親の介護をしており、とはいえシアトルなど海外出張もある中で、働き方を変えていくことで仕事の成果を上げることに成功してきました。このようなことを実現させたICT活用の具体例について、後編でくわしくご紹介させていただきたいと思います。

 


2016/10/20実践活用事例リモートワーク・働き方働き方改革ICTIoW越川慎司日本マイクロソフト

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