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圧倒的な生産性向上が実現する「RPA革命」の衝撃
~人事部門に求められることとは?~

一般社団法人日本RPA協会 代表理事 / RPAテクノロジーズ株式会社 代表取締役社長
大角 暢之さん

2017/11/13BizRobo!大角暢之RPAテクノロジーズRPA協会RPA/ロボティック・プロセス・オートメーションデジタルレイバー

一般社団法人日本RPA協会 代表理事 / RPAテクノロジーズ株式会社 代表取締役社長 大角 暢之さん

働き方改革や長時間労働是正など、企業における生産性向上、業務効率化が盛んに叫ばれる中、この1、2年でにわかに聞かれるようになったのが、「RPA」というキーワードです。RPAとは、「ロボティック・プロセス・オートメーション(Robotic Process Automation)」の略で、業務を自動化するソフトウエアロボットのこと。以前呼ばれていた「ロボット(ボット)ソーシング」という名称で思い当たる人もいるかもしれません。2017年10月にはソフトバンクがRPAソリューション事業への参入を表明するなど、多くの企業がRPAを活用しはじめています。一方、RPA は別名「デジタルレイバー(Digital Labor):仮想知的労働者」とも呼ばれることから、AI(人工知能)と同様「人間の仕事を奪い、その立場を脅かす存在」と警戒されている側面もあります。果たして、RPAは企業においてどんな役割を果たすのでしょうか。そして、人事はどのように活用していくべきなのでしょうか。2008年にRPAのはしりである「BizRobo! (ビズロボ)」サービスを立ち上げ、2016年7月には一般社団法人日本RPA協会を設立。代表理事に就任し、RPAの啓蒙活動を行うRPAテクノロジーズ株式会社代表取締役社長の大角暢之さんにお話をうかがいました。

一般社団法人日本RPA協会 代表理事 / RPAテクノロジーズ株式会社 代表取締役社長 大角 暢之さん
大角 暢之さん(オオスミ ノブユキ)
一般社団法人日本RPA協会 代表理事 / RPAテクノロジーズ株式会社 代表取締役社長

1970年広島県出身。早稲田大学卒業後、アンダーセン・コンサルティング株式会社(現アクセンチュア株式会社)に入社。2000年オープンアソシエイツ株式会社を設立し取締役に就任、ビズロボ事業部を発足し「BizRobo!」をリリース。2013年ビズロボジャパン株式会社(現:RPAテクノロジーズ株式会社)を設立し、代表取締役に就任。2016年7月一般社団法人日本RPA協会を設立、代表理事に就任。著書に『RPA革命の衝撃』(東洋経済新報社)。

疲弊する現場を救いたい!
定型業務の自動化で生産性を向上

「RPA」とはどういったものなのでしょうか。

ホワイトカラー、とりわけ企業の間接部門の業務の一部をソフトウエアのロボットに代行させることで、圧倒的な生産性向上を図ることです。ブルーカラー、いわゆる生産部門を思い浮かべるとわかりやすいのですが、かつては「人+機械」の二層構造で、産業製品を生産していました。洋服もすべて人がミシンを使って仕立てていましたよね。それが、産業用ロボットなどを導入し、「人+FA(ファクトリーオートメーション)+機械」の三層構造によるオペレーションを実現したことで、圧倒的な生産性向上と品質の安定化を実現することができたわけです。

ホワイトカラーはいまだに「人+IT」の二層構造で、属人的に多くのルーティンワークが実行されています。それをロボットに代行させることで、より専門性が高く、人にしかできない仕事へ労働力を振り分けていこう、というのがRPAの狙いです。

大角さんがRPAの有用性に気づくきっかけは何だったのですか。

一般社団法人日本RPA協会 代表理事 / RPAテクノロジーズ株式会社 代表取締役社長 ビッグデータイノベーション推進部長 大角 暢之さん

私は新卒でコンサルティング会社に入り、さまざまな企業に対して業務改善提案や支援を行っていました。現場と対話する中で、「人手が足りず、とにかく効率を上げなければならない」という切実なイシュー(issue)から「もっとこうすればうまくいくのに」というウィッシュ(wish)まで、実に多くの課題が山積していることに気づいたのです。しかし、それらの課題を解決することは決して簡単ではありません。現実的な方法を考えると、ITによるシステム化が最善の策。年度ごとの予算検討に際し、基幹システム開発……つまりシステム化を起案することになるのですが、そのためには、構想立案、要件定義、設計、開発、テスト、導入準備、稼働後支援など、膨大なワークフローと予算が必要です。するとどうしても、費用対効果や投資対効果の大きいものからシステム化することになる。そのため、「システム化で莫大な予算と労力をかけるまでではないけれど、人手が必要なルーティンワーク」はほったらかしのままなのです。

これらのルーティンワークを具体的に挙げれば、帳簿の突き合わせ、データ入力や集計、情報調査や検索、受発注の計上などのいわゆる単純作業です。「金融庁の監査が入ることになったから、2週間で3000件のデータをチェックしなくてはならない」など。今まではそれを、派遣会社に頼んで人手を確保するか、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)で外注するか、オフショアに出していたわけです。人事部門の方ならよくご存じだと思いますが、その業務を円滑に回すのも大変です。すべて人の手によって行われるので、緻密なマニュアルを作成して誰でもできるように指示しなくてはならないし、ミスがないかダブルチェックしなくてはならない。限られた予算、限られた人員でなんとかノルマを達成しなくてはいけません。まさに「蟹工船」の世界で、疲弊する一方です。

なんとかこの状況を打破したい、現場を救いたいと考えていたところ、SIer(システムインテグレーター)向けのテストツールを知りました。それは、テストの一連の作業を記録し、自動化するマクロツールのようなもの。そのツールを応用し、「録働(=労働を記録)」して自動化すれば、人の業務を大きく効率化できるのではないかと考えたのです。当初のツールは開発途上のものでしたが、技術は進化していき、2008年に前身のオープンアソシエイツ株式会社で事業を立ち上げて、業務自動化サービス「BizRobo!(ビズロボ)」を始めました。現在では約200社の企業に約20,000台のビズロボを提供し、導入・運用支援を行っています。


2017/11/13BizRobo!大角暢之RPAテクノロジーズRPA協会RPA/ロボティック・プロセス・オートメーションデジタルレイバー

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