LMSのケーススタディ
LMSの登場で、eラーニングはキャリア開発にも活用できるように
近年、研修にeラーニングを取り入れる企業が増えています。その背景には、LMSの普及によって、受講者側も管理者側も、スムーズに学習や指導に取り組めるようになったことがあります。かつて研修の際には、CD-ROMやDVD教材を使った学習が一般的でした。しかし、こうした方法には管理者が受講者の学習の進捗を把握できないことや、カリキュラムの変更や更新に煩雑な手続きが必要になるといったデメリットがありました。LMSの登場は、こうした学習状況の可視化やカリキュラムの更新を簡単に行えるようにしたのです。
また、近年ではLMSを活用することで、より受講者一人ひとりの状況に沿った学習を提供することが可能になっています。受講履歴などのデータをひも解くことで、受講者の関心や強みを知ることができるようになったのです。これにより、eラーニングは単なる学習の手法ではなく、従業員のキャリア開発にも応用できる、一歩進んだ人材育成の方法となりました。
現在では、さらに便利な機能も次々と開発されています。例えば、LMSの基本的な機能である受講者機能と管理機能に加えて、教材作成機能ができるLCMS(Learning Content Management System)と呼ばれるシステム。Webサイトを簡単に構築したり編集したりできるCMS(コンテンツマネジメントシステム)のeラーニング版と捉えると分かりやすいでしょう。
また、従業員情報を管理しているデータベースとLMSをスムーズに連携するための機能や、受講率向上を目指した企業ポータルサイトとの連携なども行われています。さらに今後は、受講者の履修履歴を蓄積していくことで、一人ひとりの理解度や進捗状況に応じたコンテンツの提供も可能になっていくでしょう。テクノロジーの発展により、LMSもますます進化していくことが予想されます。