オープンバッジのケーススタディ
オープンバッジとジョブ型雇用の相性が良い理由とは
これまで、従業員や採用候補者のスキルや経験などの実績を知るために用いられてきたのは、履歴書や職務経歴書でした。ただ、履歴書から学歴や職歴を知ることはできても、就業時間外に行った自主的な活動や、関心を持って学習している分野まではなかなか把握することができません。また、履歴書に書かれたスキルや資格が正当なものであるかどうかを確かめる術もありません。しかし、オープンバッジが履歴書のように使われるようになれば、企業は学歴だけではなく、「学習歴」も把握することができます。
以前もeラーニング修了後に電子的に付与される修了書などはありましたが、確認する側にとっては、規格がバラバラで資格内容や発行者情報がひと目でわからない、という課題がありました。一方、オープンバッジは国際標準規格に沿ったフォーマットになっているため、「バッジ名」「発行者」「授与日」「受領者」「有効期限」「スキルの内容証明」などの記載が統一されており、どんな学習内容でもひと目でわかるメリットがあります。
採用シーンで活用されるのはもう少し先になりそうですが、日本の一部の企業や大学では、学習内容や実務経験をオープンバッジに残す取り組みが始まっています。社内研修や教育プログラムの受講履歴は、組織の人員配置に活用することもできるでしょう。オープンバッジで自らの学びの履歴が可視化され、他の社員から見えるようになれば、積極的に学習に励むためのモチベーションにもなるでしょう。
日本でも導入する企業が増えているジョブ型雇用では、仕事内容に合ったスキルを持ち合わせていることをいかに確認するかが重要です。オープンバッジは改ざんができないため、雇用側からしても信頼性が高く、利活用の場が今後さらに増えていくことが予想されます。
・参考
Summary of Findings
IMS Global Learning Consortium Becomes the 1EdTech Consortium