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【ヨミ】エビデンスベースドマネジメント エビデンス・ベースド・マネジメント

「エビデンス・ベースド・マネジメント(Evidence-Based Management)」とは、事実や根拠に基づいて意思決定をするマネジメント手法のことをいいます。アメリカ経営学会の元会長で、カーネギーメロン大学のデニス・ルソー教授が発表した2006年の論文に端を発し、経営学を始めとするさまざまな分野へと広がっていきました。「経験と勘」による意思決定ではなく、データを用いて定型化された事実法則に基づいた意思決定をすることで、パフォーマンスの向上を目指します。

エビデンス・ベースド・マネジメントHRテクノロジー経営戦略

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エビデンス・ベースド・マネジメントのケーススタディ

エビデンス・ベースド・マネジメントで
経験と勘だけの主観に基づいた採用から脱却する

人材を採用するとき、皆さんの企業が重視していることは何でしょうか。これまでの実績、熱意、それとも人柄でしょうか。中途採用と新卒採用で採用基準は異なるかもしれませんが、2021年卒マイナビ企業新卒採用予定調査によれば、採用担当者が新卒採用の面接時に特に注視するポイントは「明るさ・笑顔・人当たりの良さ」が57.3%で最多となりました。次いで、「素直さなどの成長可能性(42.2%)」「入社したいという熱意(41.9%)」「職場の雰囲気に合うか(35.7%)」と、いずれも主観的な事柄が上位に挙がっています。

経験に基づく主観的な意思決定が悪いわけではありません。しかし、近年では意思決定の材料として、テクノロジーやデータなどを活用した定型的な事実を考慮に入れる動きが見られるようになってきました。「こういう人を採用したほうがいい」という個人が持つバイアスが、必ずしもその後の成果に結びつくとは限らないからです。

たとえば、AIを活用して応募書類やエントリーシートの選考を行ったり、ハイパフォーマーのパーソナリティや行動特性、趣味などを分析して活躍度との相関関係を導き出したりすることができます。採用がうまくいかない場合には、それぞれの段階での辞退率を算出し離脱の原因を考えることで、具体的な改善策を探ることもできます。

一方で、データに基づく意思決定を過信してはいけません。生産性を優先することで、多様性ある組織から遠ざかる懸念があるからです。たとえば、ハイパフォーマー集団の特長がわかったら、その特長を持つ母集団を集めようとするのは自然な流れですが、それでは人材が画一的になる可能性があります。また、意思決定を人の手で行わないことで、責任の所在が曖昧になるという側面もあります。

経験とデータ、どちらにより価値があるのかを決めることはできません。経験と勘に加えて、新たな視点を取り入れるような感覚で、エビデンス・ベースド・マネジメントを活用してみてはいかがでしょうか。

・参考
2021年卒 企業新卒採用予定調査(マイナビ) 

企画・編集:『日本の人事部』編集部

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