EdTechのケーススタディ
EdTechが進むことにより
スマートフォン一つで世界中の教育に手が届く時代へ
人生100年時代。リカレント教育の必要性が求められる現代において「教育」が指すものは、単に義務教育だけではありません。企業内での研修からプログラミングといった専門スキルの習得まで、EdTechの裾野が広がっています。EdTech市場はまだ始まったばかりで、大小さまざまな事業者が日々新たなサービスを立ち上げています。児童・生徒向けの公的教育、教員向けのSNSや管理ツール、映像教材、語学にプログラミング、CtoCでの学習提供などが挙げられます。
また、テクノロジーの進化によって、AIを活用した英会話レッスンや、音声技術の向上による発音訓練など、学びの方法も多様化しています。野村総合研究所(NRI)によると、2016年に推計約1700億円だった国内のEdTech市場規模は、2023年には約3000億円に達する見込みです。
企業の研修においては、これまで集合研修やeラーニングが主流でした。しかし、なかなか学びが実務に生かしきれなかったり、経験やスキルの違う社員に同じ研修を提供することで学習効果の差が生まれたりするなど、効果的な学習を提供するうえで課題も残っていました。そこで現在は、「LXP(Learning Experience Platform)」などの個人にパーソナライズされた学習ツールが注目され始めています。
最近では、「MOOC(Massive Open Online Courses)」と呼ばれる、インターネット上で誰もが受講できるオープン講座が存在感を示しています。スタンフォード大学の教授が設立した「Coursera(コーセラ)」や、ハーバード大学とマサチューセッツ工科大学が共同で立ち上げた「edX(エデックス)」など。多くは無料で受講することができ、有料で修了証を発行してもらうこともできます。アメリカでは、オンライン講座の受講実績を履歴書に書くケースも増えてきているようです。誰もが手を伸ばせば良質な教育を受けられる時代が、すぐそこまで来ているのです。
・参考
EdTech市場の現状と課題(野村総合研究所)