AR・VRのケーススタディ
VRによって得られる「当事者意識」
採用や教育の場に新たな技術を
スマートフォンの普及と技術の向上によって、ARは私たちに身近な技術となりました。日本におけるARは、『ポケモンGO』や『SNOW』といったアプリによって大きな広がりを見せましたが、ゲームや娯楽用途以外にも医療、建設、運輸などの産業で活用されています。また、VRを含めた世界の市場規模は、2018年の89億ドルから2023年には1606.5億ドル規模に成長すると予測されています(IDC Japanより)。
近年は、企業人事によるARやVRの活用も進んでいます。例えば、人材採用。VR映像を使うことで臨場感のある情報を求職者に伝えることができるほか、ビデオチャットとVR技術をかけ合わせれば、面接官と求職者が同じ空間にいるかのような面接を実現することもできます。
地方大学に通う学生が都市部で就職活動を行う場合、説明会や面接で何度も現地に足を運ぶことになります。交通費や宿泊費の負担が大きく、場合によっては説明会や面接を見送ることもあるかもしれません。企業が採用でVRを活用すれば、このような問題を解決することにもつながり、より多くの学生との出会いが期待できるでしょう。
採用だけでなく、人材育成や研修にもAR・VRは有効です。その特長は、テレビやパソコンのスクリーンなどでは得ることが困難な「当事者意識」から学べること。例えば医療や建設現場で、実際にどのような作業を行っているのかを一人称視点で学ぶことができます。
教育の現場では、東京大学が2018年2月に連携研究機構「バーチャルリアリティ教育研究センター」を設置し、活動を進めています。今後も産学連携で研究が進められ、数年後にはますます多くのシーンでAR・VRの技術が活用されるでしょう。