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人材情報のオープン化と導入企業1,400社のノウハウ活用で、戦略的な人材管理を実現するクラウドサービス「カオナビ」

株式会社カオナビ 取締役副社長COO

佐藤寛之さん

カオナビ異動・配置・昇進社内コミュニケーション実践

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株式会社カオナビ 取締役副社長COO 佐藤寛之さん

誰かと再会したときに、相手が自分の顔と名前を覚えていれば、うれしいものです。それが勤務する企業の経営者であれば、社員のモチベーションやロイヤリティは間違いなく高まります。一方、経営者やマネジメント層は、顔写真と人材データが連動した仕組みがあれば、社員のスキルや能力を生かして育成・配置するタレントマネジメントを行いやすくなるはず。そこで注目されているのが、株式会社カオナビが開発・提供するクラウド人材管理ツール「カオナビ」です。顔と名前はもちろん、評価履歴やスキル、面談情報などの人材情報を可視化できるため、多くの企業が活用しています。開発背景や特長、今後の展開を同社取締役副社長COOの佐藤寛之さんに聞きました。

働き方改革とはマネジメント改革。攻めの組織開発・人材開発が大切

「カオナビ」を開発された背景をお教えください。

もともと、私と社長の柳橋は成長ITベンチャーで人事を担当していました。次々と新入社員が入社してくる企業にいると、誰がどの部門で何をしているのかがわかりにくくなってきます。経営陣からも「その仕事を担当しているのは、いったい誰だっけ?」とよく聞かれました。便利なツールはないかと探してみたところ、多くの企業ではExcelに社員の写真を貼って対応している状況。そこで、人の才能や個性を管理するソフトがあれば、組織がもっと活性化するのではないかと考え、社員の顔と名前を一致させて組織の生産性を上げるツール「カオナビ」を開発したのです。リリース当初はまだ、HRテクノロジーという言葉もありませんでした。

営業活動でさまざまな企業を訪問しましたが、社長室に社員全員の顔写真を貼っている企業が多いことがわかりました。「社長、これをシステム化しませんか」とご提案してみると、共感してくださって、導入が決まることも多かった。昨今の働き方改革や少子高齢化による人材の採用難など、環境が大きく変化していたことも大きな理由でしょう。「社員の顔と名前を一致させて組織の生産性を上げる」ということに対する企業側の意識は一気に高まり、その後、急速に市場が広がっていきました。現在では、JCB、ファミリーマート、日清食品ホールディングス、東京ガス、トリドールなど、業種業態を問わずさまざまな大手企業が利用しており、導入企業は1,400社以上です。

人手不足という環境の中、企業は今いる社員にフルパワーで頑張ってもらうしかありません。そのために多くの企業が「エンゲージメント」向上のための施策を進めていますが、エンゲージメントの向上自体は以前から行われていたものです。それをテクノロジーと組み合わせ、よりスピードアップしていこうとしているのが近年の変化です。その背景には、2000年以降に社会に出たミレニアル世代が就労人口のほとんどを占めるようになったことがあります。

この世代の特徴として、「個別性」「即時性」「透明性」の三つを挙げることができます。彼らは「この仕事にはあなたが必要だ」という期待の提示と、結果に対するできるだけ早いフィードバックを求めています。また、評価の理由を可視化された環境のなかで説明してもらいたいと望んでいます。そのためには、クラウドという情報系ツールを使って、人材マネジメントのオープン化とスピード化を実現すればいい。そういう状況にあることが、HRテクノロジーの需要が高まっている一因だと思います。

「カオナビ」の画面イメージ

「カオナビ」の画面イメージ

社員の育成・配置・教育も全て可能にするプラットフォームにしたい

「カオナビ」の特長をお聞かせください。

「カオナビ」は、経営層・マネジメント層が社員の顔と名前を一致させ、組織の生産性を向上させるためのツールです。社員の顔や名前、評価、個性、スキルなどの人材情報を可視化し、戦略的な攻めの人材管理を可能にします。

特長は三つあります。一つ目は、わかりやすさ、使いやすさです。「カオナビ」は人材マネジメントのシステムなので、メインのユーザーは現場のマネジメント層や経営者です。そうした方々はなかなかマニュアルを読まないので、マニュアルがなくても問題ない操作性を大切にしました。

二つ目は、カスタマイズ性です。人材マネジメントの領域では各社がいろいろな施策を行っています。給与計算や勤怠管理のように法令で方法が決まっているわけでもないので、各社がカスタマイズできる柔軟さが重要になってきます。

三つ目は、ノウハウが共有できるコミュニティーの存在です。当社には「カオナビのWA」というユーザー同士のコミュニティーがあり、セミナーやユーザー同士のディスカッション、相談会などが頻繁に開催されています。

「カオナビ」は給与計算や勤怠管理ツールとは違い、会社によって「人材抜擢(ばってき)に使いたい」「エンゲージメント向上に使いたい」など、その活用方法は多種多様です。そのため、自社にはどんな使い方が最適なのかを、人事がブラッシュアップしていく必要があります。当社のプラットフォーム上で同じ課題を抱える人事同士がノウハウを共有することで、より良い方法を見出し、人材マネジメントを向上させていくことができます。

ユーザー会の様子

ユーザー会の様子

競合他社に対する優位性として何をアピールされますか。

「カオナビ」は、現時点で1,400社の企業で利用されていますが、これだけ多くの企業の人事ノウハウが蓄積されたプラットフォームはなかなかありません。機能をどう使ったら社員のモチベーションが上がるのか、どう使えば自社の生産性が上がるのかなどのノウハウ、そして多様な事例をツールと同時に提供できるのが当社の最大の強みです。例えば、過去のユーザー会では、エイベックス株式会社に人事戦略とカオナビを活用したタレントマジネジメントの実践法をお話しいただきました。参加者からは「閲覧権限はどうしている? 」「キャリアアンケートはどのように活用している?」など、具体的な質問が挙がっており、こうした情報をリアルに交換できる場があることも重要だと考えています。

今後の目標・展望をお教えください。

基本的にはプラットフォームビジネスですので、できるだけ多くのユーザーにお使いいただきたいと思っています。導入社数が3,000社、5,000社と広がっていけば、当社が掲げる「シンプルな仕組みで世の中をちょっと前へ。」というミッションも実現できます。機能面では、人材マネジメントの領域、特に入社から退社するまでの社員の育成・配置・教育は、「カオナビ」プラットフォーム上で実現できるようにしたいと考えています。ケースバイケースですが、ほかの企業とのサービス連携も積極的に進めていきたいと考えています。HRテクノロジーを扱う企業同士がもっとつながり、それによって企業や働く人々がハッピーになる世の中にしたい、というのが当社の願いです。


カオナビ異動・配置・昇進社内コミュニケーション実践

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