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360度評価の一番の価値はフィードバック
「気づき」からはじまる人材育成と組織変革をうながす「スマレビ」

株式会社シーベース 代表取締役社長

深井幹雄さん

シーベース評価・組織サーベイ・従業員満足度・エンゲージメント向上実践

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株式会社シーベース 代表取締役社長 深井幹雄さん

組織の弱点を探り、変革に生かすため、企業ではさまざまなサーベイやフィードバックを行っていますが、経営層からは「今のままでいいのか」「もっと変化のスピードを上げられないのか」といった声が聞かれます。企業はどうすれば有効なサーベイを実施し、改善・変革につなげることができるのでしょうか。株式会社シーベースは15年以上前からこの課題に取り組み、サーベイから社内改善までをクラウドで実現する「スマレビ」を開発。360度評価、ES、リテンション、Webリサーチなど、用途に合わせてシリーズ化しています。同社代表取締役社長の深井幹雄さんに、「スマレビシリーズ」の特長や今後の事業戦略などについてうかがいました。

変化の激しい時代にフィードバックの重要性が増す

変化の激しい時代といわれる現在、企業はどう対応していけばいいのでしょうか。

日本企業を取り巻くビジネス環境は現在、大きな転換点を迎えているのではないでしょうか。その背景には二つの大きな潮流があると考えています。一つは、社会におけるテクノロジーの位置づけです。テクノロジーが効率化や自動化を目的に利用されていた時代から、ビジネスモデルそのものに活用される時代になりました。米Uberを皮切りに自動車産業全体がモビリティビジネスの変革を迫られていることが代表例でしょう。テクノロジーは、ビジネスを再定義する存在としてますます重要になっていきます。

もう一つは、グローバル化がモノからナレッジへと変化していることです。モノのグローバル化では、品質やロジスティクスといった非言語領域で最適化を追求することが軸でした。ナレッジのグローバル化では言語、特に英語における付加価値創出を通じて経済へのかかわりが増えてきています。こうした二つの変化によって、組織は一歩先が見えないビジネス環境で、多様性を持ち、本質的な価値創出やイノベーションが求められる時代に入ったといえます。

そこでなぜ、フィードバックが重要になるのでしょうか。

工学の世界では、複雑なシステムを制御するために制御工学が発展しました。制御工学ではフィードバックを通じて、目的変数との誤差を調整していきます。そして、社会学への応用からフィードバックループによる社会システムの理解を目指した「ビジネスダイナミクス」、さらに組織への応用を行った「学習する組織」のシステム思考へと発展していきました。いずれも、システム全体をフィードバックループとしてとらえる考え方です。

現在、従来の目的完遂型組織から、内外を問わず発生している事象をリアルタイムでとらえ、フィードバックしながら軌道修正する組織形態への変化が求められています。また、A I(人工知能)やデータサイエンスの発展によって、より低コストで莫大なデータを蓄積・分析できる土台が整ってきました。これにより、テクノロジーは単なる最適化や効率化のツールから、フィードバックループで活用する存在になりつつあります。

今後は人事部門も、明確なゴールが設定されていたレガシー時代に必要とされた存在から、誰もが正解を持たない時代に必要とされる存在へと変容していく必要があります。その中で、フィードバックを組織文化の中心に位置づけることはとても重要になると考えています。

フィードバックを有効に行う上で注意すべき点は何でしょうか。

個人へのフィードバックループとして有効な手法に、360度評価があります。上司だけではなく、仕事でかかわる同僚や部下、外部パートナー、顧客などからフィードバックを受けることで、仕事中の自分自身について「気づき」を得ることができます。上司など一側面だけの情報では客観性や妥当性に欠けるケースがありますが、複数名からの多面的なフィードバックには多くの事実が含まれ、対象者も納得せざるをえないパワーがあります。

米フォーチュン誌に登場する世界のトップ企業のうち、9割が360度評価を導入しているという調査結果もありますが、日本での導入率はまだ20%程度。日本では多面評価と紹介されることも多く、人事評価で利用されている印象を持たれるかもしれませんが、育成目的で360度評価を利用する企業も数多くあります。

360度評価をフィードバックループの中で活用するには、認知的不協和がもたらす「結果の無視」「ひどい落込み」「犯人捜し」などのエラー行動を回避した上で課題を特定し、具体的な行動改善を図ることが重要です。

当社のHRクラウドサーベイシステム「スマレビfor 360°」では、ビジュアライズされたレポートで直観的に評価対象者の強みや改善点を把握することができます。また、振り返りの際にアドバイスコメントや動画でのガイダンスなどを活用することで、認知的不協和を防ぎながら内省を進めることが可能です。

「スマレビfor 360°」の画面イメージ

「スマレビfor 360°」の画面イメージ

フィードバックから組織を変革へ動かす「気づき」をいかに生み出すか

組織変革を成功させる上で、企業が意識すべきことは何でしょうか。

360度評価は、一部の管理職層を対象に実施するケースが多かったのですが、最近は組織全体の成長を加速するために全従業員を対象にする企業や、海外の子会社での実施にも踏み切る企業も増えてきています。これは、360度評価がもたらす「気づき」を活用した従業員の能力開発が進んでいる証ではないでしょうか。

各企業では360度評価以外にも、従業員満足度調査やエンゲージメントサーベイ、パルスサーベイなどさまざまなサーベイを実施していますが、それぞれを独立してとらえるだけでは「気づき」は少なくなります。各サーベイを属性別や時系列で分析することはもちろん、サーベイを掛け合わせて考察することで今まで気づいていなかった発見も生まれるはずです。

今後の展望についてお聞かせください。

「スマレビシリーズ」では、従業員満足度調査やコンプライアンス調査をはじめ、360度評価、リテンションサーベイなどさまざまなサーベイを実施することができます。また、複数のサーベイをワンストップで管理・分析・インサイトを抽出できる「スマレビDB」も近日リリースする予定です。

過去の成功体験ですら、邪魔になる時代。これまで企業をリードしてきた経営陣でも、組織が抱える課題に気づくのが難しくなっています。今こそ、人事があらゆるサーベイによって得られたデータから組織に「気づき」を生み出し、フィードバックループを回すことで、デジタル革命の時代に必要とされる組織へと変革をうながすことが重要です。当社としても、さまざまな人事課題に対して、柔軟にデータが活用できる環境を「スマレビシリーズ」を通じて整えていきたいですね。


シーベース評価・組織サーベイ・従業員満足度・エンゲージメント向上実践

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