働き方改革のフェーズに合わせて進化を続ける
「ワークスタイル変革ソリューション」 。
最新のデジタル技術と自社で培った知見を
併せて提供できるのが強み
株式会社日立ソリューションズ ライフスタイルイノベーション本部 働き方改革エバンジェリスト
伊藤直子さん
株式会社日立ソリューションズ 人事総務本部 担当本部長
井上正人さん
時代に先駆け、10年以上も前からワークスタイルの変革に取り組み、優れた評価を得てきた、株式会社日立ソリューションズ。実証を通じて得たさまざまな知見やノウハウを体系化・普遍化したサービスが「ワークスタイル変革ソリューション」です。まさに、顧客企業の課題解決への貢献を目指す事業部門と働き方改革を現場で主導する人事部門とが、コラボレーションして構築した独自のソリューションといえます。どのような課題認識のもとに開発され、どのような特長があるのでしょうか。また、今後どう進化を遂げていくのでしょうか。同社ライフスタイルイノベーション本部 働き方改革エバンジェリストの伊藤直子さんと人事総務本部 担当本部長の井上正人さんにうかがいました。
社内でのトライアルを踏まえた
本質的な提案で働き方改革を推進
近年の「人・組織」の課題をどのように捉えていますか。
伊藤:企業における働き方があまり変わっていないことが大きな問題です。過去の成功体験や慣習にとらわれず、現時点での仕事の目的や従業員の状況に合わせて働き方を見直すことが必要です。近年、テクノロジーの進化により、数年前にはできなかった働き方ができるようになってきています。より柔軟で効率的な働き方を模索し、変えていかなければ、企業の成長はないと考えています。
井上:人・組織の課題はすべて少子高齢化とそれに伴う労働人口の減少が根底にあります。このような状況の中で会社の成長だけでなく社員の幸せを追求し、社員エンゲージメントを高めることが課題です。長時間労働を前提とした従来の働き方では、これらの課題を解決することができません。特に当社の場合は、業務効率化、社員の能力の発揮、やりがいの向上などをITで支援しようとトライしているところです。当社の課題は、お客さまにとっても課題のはずであり、当社の経験をソリューションとして提供できれば、お客さまとWin-Winの関係が期待できると考えています。
そうした課題認識から、貴社の「ワークスタイル変革ソリューション」が開発されたわけですね。
伊藤:当社は、2015年度から社会イノベーション事業の創生を進めていましたが、その一環で、ライフスタイルイノベーション事業を立ち上げました。この事業を推進するにあたり、当社の強みは、人事総合ソリューションの「リシテア」とコミュニケーション基盤としての「Office365」、そしてセキュリティー技術の経験と実績です。それらを生かして社会課題を解決することを思い描きました。また、働き方改革は当社にとっても大きな課題であり、多くの企業が同じような課題を抱いています。そこで、まずは当社自身が改革を推進しソリューションを活用した上で、そのノウハウを生かしてお客さまに提案していこうと考えました。
井上:我々としては、働き方改革は“Must”でした。2016年度からは、人事施策中心の全社運動「カエル(変える)キャンペーン」などを展開しましたが、意識や人事制度を変えるだけでは限界があり、ITを使って課題解決ができないか、と事業部に相談していました。事業部側もビジネスとしての可能性を検討していたこともあり、思いが一致して一緒にやっていく流れになりました。これにより、相乗効果が生まれ、良かったと思っています。人事部門はどちらかというと保守的なのですが、逆に事業部側は時代の一歩先に行きたいという思いを投げかけてきます。事業部門から背中を押されて、人事部門も一歩前に踏み出すことができました。
「 ワークスタイル変革ソリューション」の特長を教えてください。
伊藤:当社のワークスタイル変革ソリューションは、「社員の柔軟な働き方」「組織の生産性向上」「人財の管理と分析」の三つの領域で組み立てられています。「柔軟な働き方」としては、テレワークを実現するためのコラボレーション基盤やセキュリティーの仕組み、「組織の生産性向上」としては、業務の自動化を支援するRPAやAIのソリューション、「人財の管理と分析」としては、勤務管理のシステムなど、既存のソリューションをベースとしたシステムを提供しています。これらとともに、当社での働き方改革の成功事例や失敗から学んだことなどを紹介し、働き方改革をトータルに支援するのが「ワークスタイル変革ソリューション」です。
社員の価値向上が今後の課題
ソリューションのさらなる進化が不可欠に
働き方改革のフェーズに合わせて、ソリューションを進化させているとうかがいました。
伊藤:「ワークスタイル変革ソリューション」は、各領域のバージョンアップを積極的に行っています。例えば「組織の生産性向上」では、2018年9月にRPAの運用支援クラウドサービスを新たに発表しました。当社で実際に運用し、ため込んできた経験やノウハウをベースに、お客さまが今後RPAを全社展開していく際に役立つガイドラインやFAQ、汎用的なロボット部品などを提供しています。さらに「人財の管理と分析」では、「リシテア/ HRダッシュボード」という新しいソリューションを2018年10月より販売開始しました。これは、個人や組織の働き方を「見える化」することで、働き方改革への社員の意識付けをより高め、現場で自律的に改善することを支援します。
今後の取り組みや目標・展望を教えてください。
伊藤:働き方改革は、制度やツールを試行・導入する段階から、推進して社内に定着させ、取り組みを加速していく段階に移ってきています。まずは、その推進・加速の段階を支援するソリューションの提供を進めています。「RPA運用支援クラウドサービス」や「リシテア/HRダッシュボード」もその一環。今後は、社員一人ひとりの能力や価値を高め、それを最大限に発揮し、企業の成長につなげることが課題になるでしょう。当社としては、お客さまの働き方改革の段階に合わせて、ソリューションを進化させ、お客さまを支援し続けます。
井上:企業は大量の人事データを持っています。ただ、現状ではこのデータを生かしきれていません。データがアナログのままで、セクションごとに抱え込まれているため、有機的につながっていないのです。事業部には、これをITの力で解決できないかと投げかけています。さまざまなデータがデジタル化されてシームレスに共有でき、AIでデータ間の関連性が明らかにされると、例えば「この従業員の潜在能力を発揮させるには、この部署に配属させればいい」などがわかってくると思います。当社では、2018年8月から新たに、人事部門内にHRアナリティクス・グループを立ち上げました。まずは、自社の社員のデータをAIで分析しているところですが、これからますます進化させていきたいですね。
本社所在地:東京都品川区東品川四丁目12番7号
(日立ソリューションズタワーA)
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