資生堂の働き方改革と、テレワークをサポートする
自動メークシミュレーション技術(後編)
資生堂ジャパン株式会社 人事部 人事企画室長 木村剛志さん
株式会社資生堂 宣伝・デザイン部 クリエーティブ企画室長 片岡まりさん
2016/12/14実践、活用事例、資生堂、リモートワーク・働き方
長年女性の活躍する会社として知られている資生堂。多くの企業が女性の働きやすさを目指した改革を行う中、資生堂は「女性も働きやすい」会社から一歩進んだ、「男女ともに子育て・介護などと仕事を両立しながらしっかりキャリアアップ」ができる会社づくりに着手しています。
そんな資生堂が日本マイクロソフト社の協力のもと開発した、テレワークをサポートする新たな技術「TeleBeauty(テレビューティー)」。オンライン会議などの際、自動的にメークや肌色補正をしてくれる技術は、実際に資生堂でも導入されているそうです。
前編では、資生堂内での働き方改革への取り組みと、その中で行われたリモートワークに関して、同社人事部の木村さんにお話しいただきました。後編では引き続き木村さんと、TeleBeauty開発に携わった宣伝・デザイン部の片岡さんに、詳しい開発の背景などをお聞きします。
- 木村 剛志さん(キムラ ツヨシ)
- 資生堂ジャパン株式会社 人事部 人事企画室長
1988年、株式会社資生堂に入社。トイレタリー製品を扱う営業第一線に配属。1993年に本社へ異動しトイレタリー事業の営業企画を担当。その後、2006年に経営企画部(現・経営戦略部)、そして2008年に現在の人事部へ異動。人事部ではスタッフィング、評価、昇格、そして採用、研修などを担当した後、2016年より女性活躍推進や働き方改革の窓口を担当。
- 片岡 まりさん(カタオカ マリ)
- 株式会社資生堂 宣伝・デザイン部 クリエーティブ企画室長
慶應義塾大学文学部哲学科美学・美術史専攻卒業後、資生堂国際部入社。商品開発、マーケティング部門、結婚・出産後にお客さまセンター、経営企画部を経験後、販売会社企画統括部長、CSR部次長を経て現職。日本ヒーブ協議会第21期会長。夫と夫の両親、21歳の長女(ニューヨーク在住)の5人家族。趣味はゴルフ、読書、着物。
資生堂の既存技術の応用で開発された、テレワーク時の自動メークシミュレーション技術
日本マイクロソフト社の協力で実現した、テレワーク時の自動メークシミュレーション技術なども、リモートワークパイロット運用の際に導入されたのですか。
木村さん:はい。実は私も、実際に使ってみています。こう言うと、私自身がTeleBeautyでメークをしているように思われてしまうかもしれませんね。
実はTeleBeautyを使うと、メークをする以外にも自動で肌色を明るくしたり血色よく見せたりすることができるので、男性にも有用なのです。また、自宅などからのテレワークの際には、部屋の背景をぼかしてプライベートな情報を見えにくくすることもできます。
TeleBeautyを使って、実際に何ができるのか詳しく教えていただけますか。
片岡さん:まず、木村が申し上げたように、テレワークの画面を通すだけで自動的に肌色を明るくし、血色をよく元気に見せてくれます。ここに、場面に応じたメークを施すこともできます。
メークのパターンとしては、(1)Natural(自然なメーク)、(2)Trend(2016年のトレンド)、(3)Cool(シャープ)、(4)Feminine(かわいらしい)の4種類を用意しています。
メークはリアルタイムで顔の動きについてくるため、とても自然に見えるのが特長です。また、メークも普段のその人らしさと美しさを引き出せるように、画面の色合いなどの細かい部分にもこだわっています。あくまで、利用した方が自信を持って仕事に取り組むことを目指して作っています。