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資生堂の働き方改革と、テレワークをサポートする
自動メークシミュレーション技術(前編)

資生堂ジャパン株式会社 人事部 人事企画室長 木村剛志さん
株式会社資生堂 宣伝・デザイン部 クリエーティブ企画室長 片岡まりさん

時間や場所にとらわれない、一人ひとりにあったワーキングスタイル

資生堂ジャパン株式会社 人事部 人事企画室長 木村 剛志さん/株式会社資生堂 宣伝・デザイン部 クリエーティブ企画室長 片岡 まりさん

働き方改革の一環として、リモートワークに関する取り組みなどがあれば教えてください。

木村さん:もともと資生堂には多くのBCが在籍しています。BCはデパートや化粧品専門店などでの接客販売を主な業務としているので、在宅勤務ができません。そのため、資生堂全体でも在宅勤務の導入は遅れていました。

2016年1月に在宅勤務制度を導入した後も、実際に制度を利用している社員は導入後半年経過時点で80名程度にとどまっていました。というのも、制度の利用には「前日までの事前申請が必須であること」「週2回、月8回までの利用に限ること」「勤務場所を自宅に限ること」など、一部利用しにくいルールがありました。

2016年に女性活躍に改めて取り組むにあたり、効率的で効果的な働き方の重要性を感じていました。そしてそれには、時間や場所にとらわれない一人ひとりにあったワーキングスタイルの導入が必要でした。

そこで、社員の中から希望者を募り、より自由度の高いリモートワーク制度のパイロット運用を行うことにしました。まず10月14日から17日の実施期間で募集を行い、手を挙げた社員は400名にのぼりました。さらに追加で300名の希望者にも、11月に実施してもらいました。

会社全体の母数から見れば、この700名の導入はまだまだ少ないでしょう。しかし、資生堂にとっては大きな一歩となりました。制限をできるだけ無くした形での運用を行ってみることで、見えてきたものが多くありました。

実際にパイロット運用を行ってみて、社員の反応はいかがでしたか。

女性活躍のための改革ステージ

木村さん:運用後の社員の声は、大きく二つに分けられました。一つ目は、多くの社員からの、極めてポジティブな反応です。例えば「オフィス以外で仕事をする際に、普段よりも集中することができた」というもの。雑音の少ない環境で業務に取り組むことができるので、能率が上がったことが予想されます。

もちろん、導入を行う上での不安の声もあります。主にマネジメントする側から多く寄せられ、「常に顔が見える状態ではなくなってしまうことで、コミュニケーションがとりづらくなるのではないか」といった意見がこれにあたります。

しかしこのようなネガティブな意見に対しても、パイロット運用によってある程度改善策が見えてきたと考えています。例えば、コミュニケーションの課題に関しては、オンライン会議システムの導入などでも一定の効果が見込めるでしょう。

オンライン会議の時間だけでなく、仕事中にずっと回線をつないでおけば、同僚の姿が常に見えるので「リモートワークによって「会社から切り離されてしまうように感じる」といった不安もぬぐえるかもしれません。

資生堂では今回のパイロット運用での声を活かし、オンライン会議システムなども活用して、2017年1月にリモートワークの本格導入を目指しています。もちろん、自由度を高くするということには、その分責任も伴います。それを社員にも理解してもらいながら、よりよいかたちでの運用を進めていければと考えています。

後編では引き続き木村さんと、TeleBeautyの開発に携わった宣伝・デザイン部の片岡さんに、開発の背景や今後の資生堂の働き方改革で目指すことをお話しいただきます。

※記載情報は、2016年12月時点のものです

 


2016/12/14実践活用事例資生堂リモートワーク・働き方

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