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【ヨミ】サース サーズ SaaS

「SaaS」とは、Software as a Serviceの略。日本語に訳すと「サービスとしてのソフトウェア」という意味で、ユーザーが必要な機能を、必要なときに、必要な分だけサービス として利用できるようにしたソフトウェア、もしくはその提供形態をいうIT用語です。ソフトウェアそのものをユーザー側に導入するのでなく、ベンダー(プロバイダー)側で稼働し、必要な機能をインターネットなどのネットワーク経由でユーザーに提供するのが「SaaS」のしくみ。クラウドコンピューティングが台頭して以来、その一分類とも位置付けられ、人事・給与・勤怠管理システムの領域においても、SaaS型の提供形態をとる製品が徐々に増えてきました。

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SaaSのケーススタディ

ネットワークを介して利用するソフトウェア
ASPやクラウドとは、何がどう違うのか?

人事システムを含む企業向けITシステムのあり方は、それを利用するためのハード/ソフトの形態によって、いくつかの種類に分けることができます。ソフトウェアの販売・提供形態に着目すると、従来は、ソフトウェアをユーザー企業に、パッケージ製品(パッケージソフト)としてライセンス販売する形態が主流で、ユーザー企業はこれを自社内に用意した自前のコンピュータに導入し、稼働・利用してきました。オンプレミス(クライアント・サーバー型)と呼ばれる自社運用方式です。

これに対し、ソフトウェアをベンダー側のコンピュータで稼働させ、ユーザーはソフトウェア機能をインターネットなどのネットワーク経由で、サービスとして利用するという形態が「SaaS」。通常、SaaS型製品のサービス料には、利用者数などに応じた従量制の課金モデルが採用されます。必要な機能を必要なときに、必要な分だけ利用できるのが、SaaSの大きなユーザーメリットなのです。また、ソフトウェア自体の管理は、すべてベンダー側が行うので、ユーザーとしては、カスタマイズの余地が少ないかわりに、自社設備の構築・管理に手間やコストがかかりません。利用者数や処理量の急な変動、短期間での利用開始にも対応しやすくなります。ただし、コスト面のメリットは大きいものの、インターネットを経由するため、セキュリティ面で相応の技術力が求められる点には留意すべきでしょう。特に人事システムの場合、重要な個人情報を大量に取り扱うことから、インターネットの利用は慎重になるべきだという意見もあります。

実際、2015年3月に矢野経済研究所が発表した「ERP/業務ソフトウェアの導入実態調査結果2014」によると、人事・給与システムにおけるSaaSの利用率は全体の1.9%、CRM(顧客管理)SFA(営業支援)など他の業務分野に比べても低い水準にとどまっていることがわかりました。人事システムの分野では、依然としてパッケージ製品の利用が主流ですが、次回更新時の利用意向を見てみると、SaaSと答えた比率は8.1%まで上昇。今後、緩やかに普及が進んでいくものと考えられます。

なお、SaaSの同義語として使われることの多い言葉に「ASP」(Application Service Provider)があります。簡単に言うと、1990年代末に登場したASPはSaaSの“前身”にあたるサービス。「ネットワークを介してソフトウェアを提供する」というコンセプトは同じですが、当時はまだ安価で高速なインターネット環境が整備されていなかったことなどから、期待されたような普及には至りませんでした。ブロードバンドの拡充やサーバなどのコンピュータリソースを複数のユーザーで共有する「マルチテナント」技術の開発により、ASPの抱えていた欠点を克服し、進化したサービスとして2005年頃に登場したのがSaaSなのです。

企画・編集:『日本の人事部』編集部

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