メタバースのケーススタディ
VR技術やNFT技術の活用で
メタバースは今度こそ市場をつかめるか?
最近幅広い年代から人気を博している「あつまれ どうぶつの森」も、メタバースの一つ。過去にさかのぼると、2003年にリリースされた「Second Life」で、仮想空間での生活が注目を集めましたが、最近の流行再燃には当時とは少し違った要素が含まれています。
大きいのは、テクノロジーの進化です。パソコンやスマートフォンといったデバイスの性能が向上したこと、ネットワークが高速になり大容量の通信ができるようになったこと、VR技術の高度化したことなどによって、メタバースの空間そのものが格段に充実しました。
専用のゴーグル端末を装着すれば、本当に仮想空間の中にいるような感覚を味わうことができます。アバターの動きや表情も、コントローラーによる操作ではなく、自らの動きを自動で追随するように。仮想空間でも、コミュニケーションはかなり自然に近づいています。ブロックチェーンのNFT技術を活用することで、メタバース内での経済活動まで行われるようになりました。
2021年10月には、Facebook社がメタバース事業への強い期待を抱き、社名を「メタ」に変更したことで話題になりました。同社CEOのマーク・ザッカーバーグ氏は「インターネットの次に来るのは、メタバースだと信じている」と述べています。社名変更に先立つ8月には、バーチャル会議室の「Horizon Workrooms」のベータ版を発表。MR(複合現実)技術や、空間オーディオ技術などで、あたかも本当に会議室に着席しているような感覚を得ることができるとしています。
日本でも、グリー株式会社が2021年8月に子会社を通じて、メタバース事業に参入することを発表しています。2022年度からはライブエンターテインメント事業をメタバース事業へと名称変更し、投資を拡大する方針も示しています。グリーがいかにメタバースへの可能性を感じているかがうかがえます。
テレワークの浸透により、組織の一体感や文化の醸成が課題となっていますが、メタバースの活用は風穴を開ける存在になるのでしょうか。今後の展開が関心を集めています。
・参考
Metaについて(Meta)
グリー、メタバース事業に参入(グリー)