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【ヨミ】ジービズアイディー GビズID(gBizID)

「GビズID(gBizID)」とは、政府が主導となって進めている認証プラットフォームのこと。無料で取得できるID・パスワードを使って、一つのアカウントから複数の行政サービスにアクセスすることができます。これまで煩雑だった行政手続きを簡素化することで、企業の業務効率化とコスト削減が期待でき、働き方改革をもう一段先に進められる取り組みといえます。

GビズIDgBizID業務効率化働き方改革

GビズID(gBizID)のケーススタディ

「GビズID」で社会保険や雇用保険の電子申請が可能に
対応サービスも順次拡大

2019年5月、「デジタル手続き法(デジタルファースト法)」が参議院本会議で可決、成立しました。この法律は、行政手続きを原則として電子申請に統一するものです。例えば引っ越しや介護、相続、補助金などに伴う各種申請はこれまで役所に行って紙の申請書に記入したり、郵送したりする必要がありましたが、これらが電子申請で行えるようになります。

利用者の利便性を高め、行政の効率化につなげるため、デジタル手続き法では三つの基本原則を掲げています。一つ目は手続きをデジタルで完結する「デジタルファースト」、二つ目は同一の情報提供は求めない「ワンスオンリー」、三つ目は民間サービスを含めて複数の手続きを一回で済ませる「コネクテッド・ワンストップ」です。

「GビズID」は、このなかでも「デジタルファースト」に関わる施策です。これまで従業員の社会保険や雇用保険の手続きは、それぞれ違った対応が求められたため、人事労務担当者にとって管理や作業が非常に煩雑でした。

しかし「GビズID」では、一つのアカウントで複数の行政サービスにアクセスできるため、企業にとっては労務管理のためにかかっていた時間や、人件費といったコストを削減することができます。セキュリティー面では二要素申請を利用するため、安全な仕組みであることをうたっています。

「GビズID」の取得対象は、法人と個人事業主。対象手続きのうち、社会保険の場合は、資格取得届、資格喪失届、報酬月額算定基礎届、報酬月額変更届、賞与支払届、被扶養者(異動)届、国民年金第3号被保険者関係届です。また、雇用保険では、資格取得届、資格喪失届 、転勤届、個人番号登録届が対象です。どちらも2020年4月から電子申請が可能になる予定です。

こうした新たなプラットフォームが始動するに伴い、人事労務に関わるリソース配分など、今後は社内の体制の見直しが必要になる可能性もありそうです。

企画・編集:『日本の人事部』編集部