コンバージョンレート(CVR)のケーススタディ
今、採用担当者に求められる
マーケティングスキルとは
世の中にはさまざまなWebサイトがありますが、その目的はサイトによって異なっています。例えば通販サイトであれば、商品を購入してもらうことがゴールかもしれません。しかし、サイトを見ている人が必ず購入に至るとは限らないでしょう。そのため、Webサイトに訪れた人のうち、どの程度の割合が最終的なゴールにたどり着いたのかを、コンバージョンレートという指標で測ることが重要なのです。
コンバージョンレートは、「コンバージョン数(目的に至った人の数) / 訪問数(セッション数)」で求めることができます。コンバージョンレートが0%ならば、サイトへの来訪者が誰もネクストアクションを起こさない状態を表し、100%ならばすべての来訪者がアクションを起こしたことを表します。コンバージョンレートの値が高いほど、見込み顧客を少ないコストで効率よく顧客に転換できていることになります。
こうした考え方は、企業の採用などのシーンにも活用することができます。例えば、採用サイトや求人情報サイトへのアクセス数に対して、実際の応募数をコンバージョン数とした場合。CVRを見ることで、そもそものアクセス数に課題があるのか、アクセスされた後の応募喚起に課題があるのかといった課題把握に役立てられます。前者であれば広告などを使ったアクセス数を増やすための工夫、後者であればサイト内のコンテンツや導線の見直しなどが必要かもしれません。課題がわかれば、それをもとに改善することができるのです。
Webマーケターが広告の内容を考え、出稿し、コンバージョンレートを確認し、次の内容や出向先の改善につなげるといったPDCAは、採用業務にも通じるものがあります。求人情報を書き、求人情報サイトなどに出稿し、応募数や応募者の進捗を確認し、結果を踏まえて求人情報や採用プロセスを改善する採用活動は、まさにマーケティング。面接では一人ひとりと向き合い、個人に応じた対応を心掛けていくべきですが、いかに潜在層にアプローチし、アクションを起こしたくなる接触を作れるかは、データで改善することができます。
では、どうすれば採用担当者はマーケティング感覚を養っていくことができるのでしょうか。まずは、身近なツールを使ってみることです。例えば、Facebook広告やTwitter広告。どの層にターゲティングをするか、どのような文言・写真を掲載するか、そこから見えてくる変化を認識することで、自社に合った発信内容・発信方法を徐々に見つけていくことが大切です。コンバージョンの意識が高まれば、サイトからのエントリーが増えたり、スカウトメールの開封率が増えたり、といった成果が得られるかもしれません。