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業務の効率化だけではなく、
採用力の向上と離職率の改善を導く
「クラウドサイン」の新たな試みとは

弁護士ドットコム株式会社
取締役 クラウドサイン・クラウドサインNOW事業部長 弁護士 橘大地さん
クラウドサイン事業部 新規事業開発室 アライアンス統括 安藤陽介さん

弁護士ドットコム業務効率化実践

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弁護士ドットコム株式会社 取締役 橘大地さん、クラウドサイン事業部 新規事業開発室 アライアンス統括 安藤陽介さん

今や契約手続きもクラウドで行う時代。「紙とハンコが当たり前」というこれまでの既成概念は大きく変わりつつあります。そうした流れを加速させているのが、弁護士ドットコム株式会社が提供する、Web完結型のクラウド契約サービス「クラウドサイン」。同社では、「クラウドサインNOW」として、対面領域においてもサービスを拡大させようとしています。同社で事業全体を統括するクラウドサイン事業部長で弁護士の橘大地さん、クラウドサイン事業部の安藤陽介さんに、新サービスの開発背景や特長、今後の展開についてうかがいました。

対面での申し込み、契約を電子化する「クラウドサインNOW」

人手不足が深刻な問題になっていますが、雇用についてどのような課題を感じていらっしゃいますか。

橘:日本は人口が減少しており、人材確保のため、採用の重要性がより高まっています。特に若手人材の定着と外国人雇用は、積極的に考えなければいけない課題です。そのために考えるべき課題の一つとして、雇用契約を結ぶときのフローがあります。彼らの多くはハンコを持っていないので、これまでは入社時にわざわざハンコを作っていました。しかし、その状況が変わりつつあります。ハンコを作らなければ入れない会社か、ハンコなしでも入れる会社か――。人事が従業員のことをどれだけ考えているかが問われています。

「クラウドサイン」は、その手助けとなるサービスですね。

橘:はい。「クラウドサイン」はクラウド上で契約締結から契約書管理まで行える、電子契約サービスです。例えば、人を雇用する際にこれまで郵送で行っていた書類のやり取りも、クラウド上で速やかに行うことができます。また、契約社員など有期労働契約の更新業務にも対応しています。大手企業の中には、半年に1回のペースで数千から数万人規模の契約社員との更新手続きが必要な企業もあります。膨大な数のWordファイルを編集して印刷・郵送するだけでも手間なのに、未返信があれば催促のために連絡もしなければなりません。しかし「クラウドサイン」であれば、ワンクリックで数万人に書類を送ることが可能です。今まで社員二人が3ヵ月間かかりきりだった業務も、ものの数分というレベルで終えることができます。

クラウドサインNOW

リリースから4年が経ち、機能も増えていますね。

橘:「クラウドサイン」では、メールで契約書類のファイルを送り、契約手続きを行うことが可能です。また、携帯電話のショートメッセージサービス(SMS)で契約できる機能を追加する予定です。

安藤:今年9月には「クラウドサインNOW」という対面申し込みに特化したクラウド電子契約(申込書)サービスを新たにリリースしました。iPadなどのタブレット端末を利用したサービスで、タブレットの画面上に表示した申込書や契約書にタッチペンで必要な情報を記入すれば、手書きした文字が即時にデータ化されます。また、契約者の顔写真を撮影することも可能です。企業はクラウド上で申込書のデータを管理・提出することができます。

どのような背景があって「クラウドサインNOW」の開発に着手されたのですか。

安藤:「クラウドサイン」の導入企業から「対面契約でも利用したい」という声を多くいただいたからです。

橘:例えば外国人の方が日本で雇用契約を結ぶとき、ハンコを持っていないので、ハンコを作って、後日もう一度来社しなければなりませんでした。この状況を変えようと、ハンコ以外に使えるものを考えるなかで、人の指という最高のデバイスにたどりつきました。書いた文字をその場で読み取れるプロダクトがあれば、今の日本の人事の商慣習にも合うと考え、開発に至りました。

キャプション:「クラウドサインNOW」のダッシュボード画面

「クラウドサインNOW」のダッシュボード画面

広がる「クラウドサイン」の活用領域、攻めの人事に不可欠なツールに

最新の動きも教えてください。

橘:店舗型ビジネスを展開する企業にとって、使い勝手の良いサービスを考えています。コンビニエンスストア、ファミリーレストラン、結婚式場、旅館などで、どう雇用契約を最適化するのか。例えば国内の人口減少で外国人の雇用数が増えていますが、離職率が問題となっています。

そこで考えているのが、離職率の改善に「クラウドサインNOW」を活用すること。雇用契約書や履歴書には、年齢・性別・国籍などのデータが書き込まれています。このデータを使って、離職率との関連を分析できれば、従業員の定着をうながすアクションの手助けになります。

今後、「クラウドサインNOW」をどのようなサービスにしていこうとお考えですか。

安藤:まずは、一社でも多くの企業で「クラウドサインNOW」を店舗運営の改善に活用してほしいですね。契約の効率化ツールとしてはもちろんですが、そこに入っているデータはさまざまなことに活用できます。当社では、サービスをさらに活用していただけるよう、コンサルティングにも力を入れていく予定です。申込書や雇用契約書にどういう項目を織り込み、何を分析・判断していけばいいのかを一緒に考えていきたいですね。「クラウドサイン」を導入していただいた企業では、すでに業務の効率化を実現されています。「クラウドサインNOW」はその先となる、離職率の改善、人材配置、さらには従業員の個性・特徴を見極めて多様性を引き出す「攻めの人事」のためのツールを目指します。

橘:当社は、「クラウドサイン」でハンコ社会を変えようと事業を進めてきました。現在、「クラウドサイン」の導入社数は5万社以上で、電子契約サービス業界での市場シェアは80%以上になり、いよいよこの問題に本格的に挑める時期になったと思います。ハンコ社会からの脱却は、従業員のためでもあります。人事の皆さんと、「クラウドサイン」「クラウドサインNOW」を活用して新たな時代を作っていきたいですね。


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