クラウドで面倒な給与計算業務を効率化
人事労務に関するデータを経営へ活用できる
「MFクラウド給与」
株式会社マネーフォワード
執行役員 MFクラウド事業戦略部 部長
山田一也さん
企業業務の効率化、生産性向上のためには、ITをはじめとするテクノロジーの活用が不可欠です。とはいえ、ベンチャーなど小規模な企業の場合、大きな初期投資はかえって経営の負担にもなりかねません。そこで注目されているのが、月々の従量制料金で利用できるクラウドサービス。中でも人事の分野で急速に導入企業を増やしているのが、クラウド上で給与計算業務ができ、さまざまな外部サービスとの連携が実現できるクラウド型給与計算ソフト「MFクラウド給与」です。同サービスの特長や導入のメリットなどを、開発・運用元である株式会社マネーフォワードのMFクラウド事業戦略部部長、山田一也さんに詳しくうかがいました(※「MFクラウドシリーズ」は、2018年11月27日より、「マネーフォワードクラウドシリーズ」に名称を変更しました)。
常に最新機能を活用できる
クラウドのメリット
「 MFクラウド給与」はどのような経緯で開発されたサービスなのでしょうか。
当社は、「お金を前へ。人生をもっと前へ。」というミッションを掲げるフィンテック企業です。最初にサービスを開始したのは、個人の家計を「見える化」する個人向けの自動家計簿・資産管理サービス「マネーフォワード」です。「マネーフォワード」は、銀行やクレジットカード、ECサイト、証券などの金融関連サービスと連携することで、入出金記録を取得し、自動で家計簿を作成してくれるサービスです。創業した翌年の2013年には、この金融関連サービス連携によるデータ取得の技術(アカウントアグリゲーション)をもとに、法人向けサービスも開始しました。これが、個人事業主や企業の会計業務を効率化する「MFクラウド会計・確定申告」です。旧来のインストール・オンプレミス型とは異なり、初期費用がかからないクラウドサービスとして、サービス開始当初は小規模事業者の皆さまに多く利用されていました。そのため、ご利用いただいている多くの事業者では、会計業務も給与計算業務も同じ部署、同じ方が担当していることがよくありました。そして次第に、給与計算など人事労務系の業務にも対応してほしいといったお声を多くいただくようになり、2015年3月より「MFクラウド給与」を開始しました。
顧客の声、企業の課題をもとに開発されたサービスということですね。
業務の効率化はすべての企業が目指しているところだと思います。「人・組織」の課題に関しても、少子高齢化で労働力人口が減少する中、長時間労働の是正、生産性向上、さらには育児や介護との両立といった、働き方の多様化に対応する「働き方改革」が求められています。そのために多くの企業が注目しているのがHRテクノロジーの導入でしょう。ただ、旧来のインストール・オンプレミス型のシステムでは、初期費用が高くなり、変化する外部環境にあわせてタイムリーにシステム改修を行っていくための負担も無視できません。
そこで当社では、「MFクラウドシリーズ」として、会計や請求書、給与、経費などバックオフィス業務を効率化するクラウドサービスの展開を進めていきました。「MFクラウド給与」も、給与計算を高度に自動化するだけでなく、法改正や社会保険料率の改定といった環境変化に即応する日々のアップデートにより、常に最新の機能を提供できるようになっています。その際、お客さまは特別な操作などを行う必要が一切ないのもクラウドサービスのメリットです。
さらに、データがクラウド上に存在することで、人事労務担当以外の方がデータにアクセスしやすくなるという利点もあります。たとえば、経営者が人事労務データを参照しながらデータドリブン型の経営判断を行うことも容易になります。また、従業員自身に給与明細情報を閲覧してもらうことで給与明細の発行を省けるため、ペーパーレス化も可能です。常にアップデートを続けることで「MFクラウド給与」の機能はレベルアップしており、現在では中堅企業や上場企業にも利用が広がっています。
最適なサービスを
自在に組み合わせて使う時代
「 MFクラウド給与」の強みはほかにもありますか。
まずは、セキュリティーの堅牢性です。当社のサービスは、金融機関と同水準のセキュリティーを構築しています。当社はサービス開始当初から、セキュリティーへの投資を積極的に行っており、自社に専門部署を置くだけでなく、外部会社によるペネトレーションテスト(システムへの侵入を試みて脆弱性を検証するテスト)も実施しています。自社のデータをクラウド上に保存することには、情報漏えいなどの観点から懸念を持たれる方もいらっしゃるかもしれませんが、常に最新のテクノロジーを導入しているクラウドサービスのほうが、むしろ安全性は高いと当社は考えています。
もう一つの強みは、外部サービスとの連携機能の豊富さです。「MFクラウドシリーズ」の「会計」「経費精算」「確定申告」といった各種サービスとの連携ができるのは当然として、他社が提供しているサービスとも連携が可能です。たとえば、すでに他社の勤怠管理サービスを利用されている場合でも、そのデータをボタンひとつで「MFクラウド給与」に取り込み連携することができます。データを加工する手間を削減でき、勤怠データを修正した際の給与計算の回し直しといった処理も非常に簡単です。給与振込についても、みずほ銀行・三井住友銀行との連携により、「MFクラウド給与」の画面上から支払申請を行うことができます。銀行の窓口で振込の手続きをする必要はありません。
「 MFクラウド給与」が、さまざまなサービスを利用する際の中心になっていくイメージですね。
HRテクノロジーは日進月歩です。しかし、ERPのような大きなシステムを導入すると、欲しい機能をきめ細かく追加することはそう簡単ではありません。その点、「MFクラウド給与」は、必要なタイミングで、必要な機能を提供するクラウドサービスと連携することができます。当社はこれを「ConnectedHR」というコンセプトとして掲げており、勤怠管理、給与計算、労務管理をはじめとするさまざまなサービスをAPIで連携し、労務領域における業務をクラウド上で一気通貫・最適化できる世界を目指しています。今後も当社では、「MFクラウド給与」が数多くのサービスのハブになれるよう、使いやすさや信頼性、技術面など、サービスにさらに磨きをかけていきたいと考えています。
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