単純作業はロボットに、人間はより高付加価値な仕事へ
~リコージャパンが導入するRPAとは?~(後編)
飯沼 満さん(リコージャパン株式会社 執行役員 経営企画事業本部 構造改革推進本部 本部長)
南雲 敏明さん(リコージャパン株式会社 経営企画事業本部 構造改革推進本部 システム開発室 RPA開発グループ)
人事の役割は、自社の人員配置や、働き方の未来を定義すること
今後、人事には何が求められると思われますか。
飯沼:弊社には2万人近くの社員が在籍していますが、仮に新入社員を同じペースで採用し続けても、10年後には社員数が3割減ると試算されています。少ない人員で業績を確保していくためには、業務をどんどん効率化し、工数を減らしていく必要があります。このような状況は、弊社に限りません。労働力人口が減少していく中、多くの企業にとって課題になっているはずです。RPAは、そのような課題を解決する有効な手段の一つだと思います。
今後、AI化はさらに加速するでしょう。事前にRPAを通じ、業務プロセスのロボット化を体験しておけば、業務にAIが組み込まれても、あわてることなくスムーズに移行できると思います。ロボットと共存できる仕事の仕方、人の配置についても同様です。無くなる仕事もあるけれど、新たに生まれる仕事もある。それに対していかに早く、組織として順応していくのかを、人事は考えるべきではないでしょうか。
南雲:まずは、ご自身の業務を振り返って、RPA化できることを検討するのも良いかもしれません。自分でまず体験することで、見えてくるものも多いはず。人事業務は賞与計算や年末調整など、特定の時期に業務が集中することが多いけれど、RPAを導入すれば、残業時間の抑制にもつながります。私たちのパイロット施策のように、ある領域の業務でRPA化への手応えを感じた後、他部署に展開していくのは大変有効な方法です。人事の方が主導することで、「働き方改革」はより広く深く、社内に浸透していくはずです。
(取材は2017年5月31日、神奈川・川崎市のリコージャパンにて)