心理的資本(Psychological Capital)のケーススタディ
成果につながるポジティブエネルギー
心理的資本が重要視されるようになった理由
あなたの周囲で活躍している人は、どのような要素が成果につながっているのでしょうか。データ分析が得意で、人並外れた情報量を処理できる。人柄が良く、周囲からの信頼が厚い。打たれ強く、気付いたらすぐに行動する……。強みは人それぞれあるものですが、何が成果を生み出す要因になるのか、これまでもさまざまな調査や研究が行われてきました。
まず注目されたのが「人的資本」。知識やスキル、学歴など、その人が「何を身につけたか」が重要であるとする考え方です。そのほか、「誰を知っていて、信頼されているのか」という人的ネットワークを重視する「社会関係資本」も注目されてきました。そして、最近注目されているのが「心理的資本」です。
では、なぜ心理的資本が注目されているのでしょうか。昨今、ビジネスを取り巻く環境は目まぐるしく変わり続けており、以前の産業構造では役立っていた知識やスキルがすぐに廃れてしまうことも少なくありません。変化に対応するため、高い心理的資本を保ち、新しいことを学んだり挑戦したりできる人材が求められるようになってきているのです。
心理的資本を構成しているのは四つの因子です。「希望(Hope)」「自己効力感(Efficacy)」「レジリエンス(Resilience)」「楽観性(Optimism)」。それぞれの頭文字をとり、「The HERO within(自分の中の英雄)」と表現されることもあります。
参考:こころの資本―心理的資本とその展開