人生100年時代の働き方を考える

健康経営 powered by「日本の人事部」

印刷する印刷する 

【ヨミ】ポジティブ メンタルヘルス

ポジティブ・メンタルヘルス

「ポジティブ・メンタルヘルス」とは、働く人々が心も身体も健康な状態でイキイキと快活に働き、生産性の向上や組織の活性化を目指すこと。従来の「メンタルヘルス」という言葉は、不調への対応や対策に主眼が置かれていましたが、ポジティブ・メンタルヘルスは自己肯定感や幸福感などを重視しており、仕事が活力を生む好循環ができている状態をいいます。仕事に誇りややりがいを感じ、熱心に取り組むというワーク・エンゲイジメントの考え方を基に、1998年にアメリカで提唱されました。

ケーススタディ

ポジティブ・メンタルヘルスで
イキイキと働く人を増やす

近年、幸福学やウェルビーイングなど、人のポジティブな状態を表す概念が注目されています。人は何百年も労働に関わってきたにもかかわらず、どうして今、心の健康が取り沙汰されているのでしょうか。最も影響しているのは、産業構造の変化だといわれています。1950年代以前の日本は、農業や漁業など第一次産業が盛んでした。1950年代に入ると、高度経済成長により暮らしに便利なものが増え、製造業や建設業などの第二次産業の割合が上昇しました。

そして現在は、金融、医療・福祉、教育、小売、外食、情報通信、サービス業など、第三次産業が全産業の中で最も大きな割合を占めています。最近では、AIエンジニアやデジタルマーケター、YouTuberといった、ビジネスのデジタライゼーションから派生した職業も存在感を増しています。第三次産業では、労働の量に利益は必ずしも比例しません。利益追求には質の向上が不可欠で、そのための要素としてポジティブ・メンタルヘルスが重要になってきているのです。

「病気でなければ健康」というのは、これまでの“守り”のメンタルヘルスの考え方です。では、ポジティブ・メンタルヘルスに必要なことは何でしょうか。それは、「資源」に注目すること。「個人の資源」と「仕事の資源」とがあり、自己効力感や楽観性、レジリエンスなどは個人の資源で、経営者や上司との信頼関係や成長の機会が仕事の資源です。これらの要素が豊富であるほど、ワーク・エンゲイジメントは高まります。

ストレスを取り除くという従来的な取り組みも大切ですが、個人の資源と仕事の資源を充実させることが、個人の生産性や組織の成果へとつながります。やらされ感ではなく、活力を感じながら働いてもらうためにはどうすればいいのか。自社や自分に誇りを持ってもらうためにはどうすればいいのか。それらを考えて積み重ねていった先に、ポジティブ・メンタルヘルスのある組織が実現されるのです。