人材の価値を最大限に引き出し、企業の持続的な成長を実現する

日本の人事部 人的資本経営

【ヨミ】エンプロイーサクセス エンプロイーサクセス(Employee Success)

「エンプロイーサクセス」とは、従業員がキャリアアップしたり、誇りを持って働けたりするなど、「職場で成功すること」を表す概念です。会社の支援により、従業員が自己実現、達成感、成長を実感することを意味します。自身の目標を達成するだけでなく、会社から成果を正当に評価され、自分が望む働き方やありたい姿を実現することができれば、従業員は成功を実感するでしょう。エンプロイーサクセスを促進することで、従業員の生産性向上や離職率の低下、収益性の向上が期待できます。

従業員体験生産性向上離職防止

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エンプロイーサクセス(Employee Success)のケーススタディ

自社の従業員にとっての「成功」とは?
施策のプランニングにおいて大切なこと

エンプロイーサクセスに似た用語 が「カスタマーサクセス」。「顧客が商品・サービスを利用することで成功体験を得られるための能動的な働きかけ」を指します。クレーム処理などの受け身の対応ではなく、自社がアクションの起点となり、よりよい体験をつくり出すことが重要です。

エンプロイーサクセスにおいても、従業員が仕事を通して成功体験を得られるよう、能動的に働きかけます。従業員が入社から退職までに得るあらゆる体験を「エンプロイーエクスペリエンス(EX)」といいますが、EXの先に見据えるものがエンプロイーサクセス。エンプロイーサクセスに取り組むことで、従業員のモチベーションが上がり、自社への信頼が高まります。人材の定着にもつながるでしょう。

「成功」という抽象的な概念を実現するためには、成功をどう捉えるかを考えなければなりません。昇進することなのか、あるいは柔軟な働き方を選べることなのか……。個人によってその捉え方はさまざまです。エンプロイーサクセスを掲げるのは簡単ですが、実現のためには具体化した上で、行動に移す必要があります。

昨今は、エンプロイーサクセスを実現するための部署を設ける企業も散見されます。富士通ではEmployee Success本部を置き、コロナ禍の前から多様な働き方を実現するためにテレワークを推進してきました。セールスフォース・ジャパンもエンプロイーサクセスの専門部署を設置し、独自の評価システムで成功の実現をサポートしています。その他にも、自己研さんを促すために金銭的なサポートをしたり、労働の土台になる健康を支援するために健康プログラムを提供したりする企業があります。

ただし、エンプロイーサクセスは、一つの部署の働きで達成できるものではありません。経営層やIT部門などとの連携、組織風土改革やキャリア開発制度の刷新など、さまざまな部門が一体となって取り組むべきものです。「成功」という抽象的なゴールだからこそ、まずは自社の従業員にとっての成功とは何なのかを考え、言語化する。そして、「個人の成功」を「組織の成功」へ拡大できるよう、継続的に施策の検証と改善を行うことが大切です。

企画・編集:『日本の人事部』編集部

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