健康経営 powered by「日本の人事部」 人生100年時代の働き方を考える

生活習慣の改善とメタ認知で、うつ病やメンタル不調のリスクを減らす
リモートワーク時代に必要なラインケア・セルフケアとは

東京大学大学院医学系研究科 公共健康医学専攻 精神保健学分野 准教授

西 大輔さん

西 大輔さん(東京大学大学院医学系研究科 公共健康医学専攻 精神保健学分野 准教授)

新型コロナウイルス感染症対策に端を発して、私たちの生活様式は大きく変わりました。特にリモートワークの導入は、劇的な変化といえるでしょう。リモートワークは自由度の高い働き方とされる一方で、従来の労働慣行とは異なる面があるため、新たなストレスも生んでいます。人事が特に気をつけたいのが、社員のうつ対策。顔が見えにくいだけに、心身の異変に気づくのが遅れて、ケアやフォローが後手に回ってしまう可能性があるからです。私たちは、日ごろからどんなことに注意して過ごせば、うつ病やメンタル不調を防げるのでしょうか。また、社員のために企業はどんなサポートができるのでしょうか。東京大学大学院で、精神疾患の予防に向けた研究に取り組む西 大輔准教授に、お話をうかがいました。

プロフィール
西 大輔さん
東京大学大学院医学系研究科 公共健康医学専攻 精神保健学分野 准教授

にし・だいすけ/九州大学附属病院、国立小倉病院、災害医療センター、国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所を経て、2018年4月より現職。交通外傷患者、自殺未遂者、災害救援者など、さまざまな集団を対象としたコホート研究やランダム化比較試験に携わる。主な専門領域は、精神保健疫学、周産期メンタルヘルス、トラウマティックスストレスレジリエンス。うつ病や不安障害の予防に取り組んでいる。

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これまで問題なく過ごせた人が不調に陥る可能性

今日のお話の前提となる、うつについて教えてください。

うつは脳がうまく働かなくなっている状態で、気分障害のひとつです。ものの見方や考え方が否定的になるのが特徴で、気分が落ち込む、何をしても楽しめない、集中できない、といった精神症状が見られます。このほかに、疲れやすい、食欲不振になる、めまいや耳鳴りがするなどの身体症状も生じます。

いつもなら難なく対処できる問題なのに、うまく対応できなくなる人もいます。そういう状況になると、イライラしたり焦ったり、自分はダメだと否定的になるなど、ネガティブなサイクルに陥ってしまう。深刻になると、自傷行為や自殺に至るケースもあります。

医療機関ではうつ病の診断に、アメリカ精神医学会が作成した「DSM-5」や世界保健機関(WHO)の「ICD-11」という診断基準を用いるのが一般的です。DSM-5では九つの症状のうち、気分の落ち込みを示す二つの症状を含む五つ以上の症状が2週間以上続く場合に、うつ病と診断されます。四つ以下の場合はうつ病ではなく、「抑うつ状態」とみなします。

うつ病とうつ状態は異なるんですね。

はい。うつ病はカウンセリングや投薬を併用して治療しますが、長ければ数年にわたることも珍しくありません。仕事をしている人には必要に応じて休職を勧め、様子を見ながら少しずつ時間をかけて職場に復帰してもらいます。

抑うつ状態はうつ病ではないからといって、軽視していいわけではありません。症状が進行してうつ病に移行することもありますし、ほかの精神疾患や身体疾患が隠れているかもしれないからです。抑うつ状態でもパフォーマンスの低下は見られるので、健康経営の観点から考えても、放置するのは得策ではないでしょう。いずれにせよ、従業員がメンタル面に不調を来さないように、職場が可能な限りフォローすることが大切です。

現在、国内のうつはどのような状況なのでしょうか。

新型コロナウイルス感染症が問題となる以前の2019年の時点で、「直近12ヵ月間でうつ病と診断された人」は日本人全体の約2%といわれています。軽度の精神的苦痛を抱える人になると26%の人に抑うつ症状が見られ、うつは意外と身近なものであることがわかります。なお、うつ病の患者数は増加していますが、うつ病の有病率や精神的苦痛を抱える人の割合はこの10年間大きな変化はありません。

ストレスチェックの義務化をはじめ、メンタルヘルスに対する社会全体の関心の高まりにより、以前と比べて多くの人が心療内科や精神科などの医療機関を受診するようになった結果、潜在していたメンタル不調が顕在化し、患者数が増えたのでしょう。

2020年以降、新型コロナによる影響は見られるのでしょうか。

難しい質問ですね。厚生労働省が行うような、数十万人規模の調査データは今のところ公表されていないので、確実性の高い情報がないのが現状です。しかし、そこまでの規模ではないけれど、コロナ禍以降、数万人レベルでの調査が発表されており、それらを見る限り、うつ病や抑うつ状態にある人の割合は増加傾向にあるようです。

これらの調査は工場などで働く人や、個人事業主、主婦や学生、高齢者なども含まれます。そのため今回のテーマの「リモートワークとうつ」を考えるには、データの捉え方に注意が必要です。とはいえ、これまでなら何の問題もなく過ごせた人が、社会環境の変化に適応できずに苦しい思いをしていることは、十分に考えられます。

それぞれが異なる環境で働くからこそ問われる想像力

うつはどのようにして起こるのでしょうか。

はっきりとしたメカニズムはまだ解明されていませんが、遺伝的要因、幼少時のトラウマなどの環境的要因、身体的要因、心理的ストレスなど、さまざまな要因が層をなすように重なり合って発症すると考えられています。

ストレッサーは実に多様で、仕事に関するものだと昇進や転勤、仕事のプレッシャーなどがあります。もっと踏み込むと、上司・同僚との信頼関係や意思疎通のしやすさ、仕事の進め方や会社やチームの雰囲気なども、ストレスに関係します。仕事のほかにも、子どもや家族のこと、お金のこと、自身の体調のことなど、ありとあらゆるものがストレッサーになり得ます。

新型コロナ由来のストレッサーも多そうですね。

感染そのものに加え、感染時の医療体制、差別や不当な扱い、あるいは失職や収入減などの不安がまず挙げられます。また、マスクの装着、旅行や会食などの行動制限といった新しい生活様式へのストレス、ワクチンに対する考え方の違い、趣味のグループやサークル活動が思うようにできないことへのストレスなども考えられます。

リモートワークでは、仕事の進め方やコミュニケーションの変化に起因するストレッサーが生じています。メンバーが今何をしているのかが見えづらい、気軽に声をかけたり相談したりしづらいといったことから、一人で仕事上の悩みを抱え込みがちです。部下は管理職にさぼっていると思われているのではないか、逆に管理職は部下がさぼっているのではないかと、お互いに疑心暗鬼になることも想定されます。

仕事とプライベートの区切りをつけにくいのも、リモートワークの難しいところです。終業時間を過ぎても働いたり、夜中や休日に届いたメールにも対応したりと、すぐに仕事にアクセスできるのでなかなか切り離せないことも多いようです。

また、部屋に一人で過ごすことになるので、昼休み時間も働き続け、気づけば朝から一歩も外に出ずに1日が終わってしまった、ということもよく聞かれます。誰とも話さないことに、孤独を感じている人は多いのではないでしょうか。

私は複数の企業で産業医を担当していますが、最初の緊急事態宣言のときは、子どものいる方からの健康相談が増えました。このときは保育園が休みになり、家に子どもがいる状況で仕事もこなさなければなりませんでした。また夫婦ともにテレワークで家にいるので、ダイニングテーブルや個室の取り合いになったりするなど、今までにはない状況がストレッサーになっているケースが多く見られました。

本当にいろんなことが、うつの引き金になるのですね。

うつが難しいのは、ストレスの感じ方が一律ではない点です。ある人にはまったく苦痛にならないことが、生活に支障をきたすほどのストレスになる人もいます。ある人には能力発揮や成長の機会となるストレッサーも、別の人にはスポイルの要因になり得るのです。

これを踏まえると、私たちは想像力を働かせながら、「他者との違い」を受け入れる必要があるといえます。テレワーク下では、書斎で働く人もいれば、ベッドサイドの座卓をワークスペースにしている人もいるでしょう。ネットワークのつながりやすさも、環境によって異なるはずです。そうしたことも含め、さまざまな違いを認識したうえで、仕事に臨むことが求められます。

リスクを減らす発想でメンタルケアに取り組む

西先生は予防の観点で、メンタルヘルスの研究を続けていらっしゃいますね。

うつをはじめとするメンタル不調は、これまでお話ししたとおり、いろんな要素が関係しています。そのため残念ながら「これをすれば必ず防げる」といった、絶対的な方法はありません。考え方はがん(悪性腫瘍)に近いでしょう。どんなに健康的な生活を送っていても、がんになる可能性はゼロにはなりません。しかし心がけ次第で、がんのリスクを減らすことはできます。それと同様にメンタルヘルスも予防に励むことで、不調になる可能性を減らすことはできると私は考えています。

職場におけるうつ予防は、「セルフケア」と「ラインケア」の二つが柱となります。ラインケアは管理職を中心に、部下をはじめとする従業員の健康状態に気を配ることです。日ごろの部下の考え方や行動のパターン、人間関係の築き方などをあらかじめ把握しておき、「いつもと違う」と感じたときに話を聞いたり、専門家の相談窓口につないだりするなど、適切なケアやフォローを行うものです。セルフケアは言葉のとおり、自分自身で行うメンタルケアです。

セルフケア、ラインケア双方に言えるのは、コロナ禍であっても、従来の考え方と基本的には同じであること。産業保健の世界では確かなエビデンスのもと、メンタルケアに役立つ知見がたくさん蓄積されています。その提供の仕方を、コロナ時代に沿う形に変えていくことがポイントといえるでしょう。

リモートワーク下でのラインケアでは、どのようなことに注意すべきでしょうか。

裁量権、努力報酬不均衡、組織的公正の三つの観点で考えてみましょう。まずは裁量権です。仕事の意思決定や判断できる領域をどの程度確保できているかによって、ストレスの感じ方は変わってきます。リモートワークは、誰かにすぐに話しかけることのできるオフィスと異なり、確認を一つとるにもチャットを立ち上げたりタイムラグが生じたりと、負担が生じがちです。従来の裁量範囲が今の働き方に見合っているのか、検討の余地があるでしょう。

裁量の範囲や他者との関わりを変えていく「ジョブクラフティング」を実践できれば、従業員が仕事にやりがいを感じられる可能性は高くなるはずです。また上司には期限には余裕をもって仕事を割り振る、自分のやり方に固執せずに部下の考えを尊重する、といった配慮が欲しいところです。

努力報酬不均衡とは、組織への貢献(=努力)に対して見合う報酬が得られていないと感じる状態です。会社やチームのためにいくら頑張っても、周りからの反応がなかったり評価につながらなかったりすれば、モチベーションは下がってしまいます。報酬は金銭や待遇に限りません。クイックレスポンスを心がける、「ありがとう!」「お疲れさま」と笑顔を添えて労いの言葉をかける、オンライン会議ではリアクションを大きめにとるなど、小さな報酬の積み重ねは無視できないものです。

組織的公正は、意思決定のプロセスや、昇給・昇格、配置などの資源の分配、上司の部下に対する接し方など、組織の中で個人が主観的に感じる公正感のことです。主観的というのがポイントで、働く本人が自分の会社を公正だと感じられるかどうかが、メンタルヘルスに関わってきます。特に自身が人として尊重され、会社や上司が大切かつ丁寧に接していると感じられる対人的公正や、タイミングも含めた適切な情報の開示、すなわち情報的公正はとても重要です。

リモートワークでは信頼関係を築きにくい、意思決定のプロセスがブラックボックス化する、といったことが起こりがちです。「言わなくてもわかるだろう」が通用しない環境にあるため、意図的に話し合う時間を増やしたり、言語化したりする必要があるでしょう。オンラインでの1on1やメンバーミーティングだけでなく、出社日を合わせてオフラインで面談をするなど、毎日会うことが普通ではなくなった以上、きめ細やかなコミュニケーションのしかけが求められます。

自分に合ったやり方で睡眠・食事・運動に気を配る

リモートワークでは一人で過ごす時間が増えることから、セルフケアも大事になってきそうです。

セルフケアは、「生活習慣を整える」ことと「自分の状態に気づく」ことの二つの軸で考えます。比較的取り組みやすいのは、生活習慣を整えること。規則正しい生活が心身の健康を保つうえで欠かせないことは、言うまでもありませんね。うつに関していえば、睡眠や食生活、身体活動でそれぞれ予防につながるファクトが解明されています。

睡眠不足や質の悪化がメンタル不調につながることは、多くの人が経験から理解できるでしょう。一般的には1日7~8時間程度の睡眠が望ましいと言われますが、実際は人それぞれです。睡眠が足りているかどうかを知るには、平日と休日との睡眠時間の差が参考になります。休日に平日より2時間以上多く寝ているのであれば、慢性的な睡眠不足に陥っている可能性が高い。平日の生活パターンを見直して、今までより30分でも睡眠時間を多く確保できたら、体と心への負担は軽くなると考えられます。

食生活には栄養素や食品の選び方、食事のパターンに食べ方などいろんな観点があります。最もシンプルなのは、食品の選び方。基本は生鮮食品やナッツ、穀類など、なるべく加工度の低いものを食事に取り入れます。

イタリアやギリシャの伝統的な食事である地中海式食事で、うつの発症リスクが減少したという論文も発表されています。野菜や果物がふんだんに用いられ、抗酸化作用のあるオリーブオイルや赤ワインを摂取することがよい影響を与えているようです。日本の伝統的な食事もいいですね。塩分の取り過ぎには注意が必要ですが、青魚などうつ病リスクを下げるとされる食品が使われているので、健康効果が高いといえます。

注目したい栄養素はありますか。

鉄不足は、うつなどの精神的不調に関係する可能性が指摘されています。鉄不足というと貧血を思い浮かべますが、症状がなく一見問題がないようでも、体内に蓄えられていた貯蔵鉄が不足している状態、潜在性鉄欠乏に陥っている場合もあります。特に女性は月経の影響で、鉄が不足しがちです。必要に応じてサプリメントで補うなど、過剰症にならないように気をつけながら摂取に努めたいものです。

身体活動はアメリカの100万人規模の調査で、週に3~5回、1回につき45分程度の運動を行っている人は最もメンタルの状態が良好であることがわかっています。継続的な運動は効果があるといえるでしょう。

ただし、睡眠にも食事にも言えることですが、これまで述べてきたことが全員に当てはまるわけではありません。ほぼ毎日、1時間近くもの運動時間を確保するのは簡単なことではないし、そのことがストレスになっては意味がありません。筋トレやランニングのような激しい運動が合う人もいれば、散歩などゆるく体を動かすほうが向いている人もいます。自分に合った方法を見出すのがコツです。

心のありように気づき、組織全体の空気を健全化する

健康的な生活が望ましいことは理解しつつも、昼休みの間も仕事をダラダラと続けたり、カップ麺や出来合いの総菜で済ませたりといったことは往々にして起こりがちです。

そういうときこそ、「自分の状態に気づく」絶好の機会です。昼休みを削ってでもカップ麺をすすりながら仕事を進めようとするのはなぜなのか、背景にある感情に寄り添ってみるのです。仕事をこなさないと評価が下げられるのではという不安から来る行動かもしれないし、いつも120%の成果を上げないと気が済まないという焦りが背景にあるのかもしれない。「時は金なり」という信念が効率至上主義となって、食事の時間を削るという行為につながっている場合もあるでしょう。

こうした極端な発想や行動に至るのは、逆境やピンチを乗り越えた過去の成功体験が影響していることが多いんです。そんなときは、その考えが常に正しいといえるものなのか、今の自分にプラスに作用するものなのか、今は手放してもいい考えではないかなど、少し立ち止まってみましょう。もう一人の自分で、今の自分を俯瞰するイメージです。

メタ認知が重要なのですね。

客観化した自分は、自身のメンタルを把握するのに欠かせない存在です。例えば何となく寝つきが悪かった夜に、もう一人の自分が「どうしてだろう?」と自分に問いかけてみたとします。すると、昼間起こった何気ない出来事が原因だったことに気づくかもしれません。その場では感情にふたをしていたけれど、あれは自分にとってつらい出来事だったのだと。

沸き起こる感情や心の状態を確かめることができれば、どういうストレスが心理的負担になるのかがわかってきます。自分をつらくするストレッサーがわかっていれば、それを回避する、あるいはストレスを受けたときにどう対処するかを考えることができます。また自分を客観視できると、感情に飲み込まれそうなときにも冷静さを取り戻せます。1日のうちの数パーセントでも自分を客観視する時間があれば、メンタルの調子は変わって来るはずです。

社員のうつやメンタル不調を防ぐ観点で、企業にできることは何でしょうか。

第一に、組織風土の影響はとても大きいといえます。リモートワークでオフィスに行く頻度が減っているだけに、「すべての従業員を大切にしている」というメッセージを具体的に打ち出すことは、今まで以上に重要です。社員が元気で、健康的に活躍し、豊かな人生を送ることを応援しているということが伝わると、従業員の心の持ちようにもいい影響を与えるでしょう。

そして何よりカギとなるのが、管理職や経営者のメンタルケアです。部下がいる人ほど、セルフケアのところで解説した「自分の状態に気づく」ことを心がけてほしいですね。というのも、管理職の心のあり方が周囲に与える影響はとても大きいからです。たとえば私は研究者であると同時に、大学院生や学部生の指導を行う中間管理職に似た立場です。仮に自分の仕事である論文の執筆が進まずにイライラしていたとして、その感情をそのまま研究室に持ち込んだらどうなるでしょう。

研究生のメンバーに頼んだ仕事に不備があったとき、それを指摘さえすれば済むのに、怒ったり嫌味を言ったりしてしまうかもしれません。そういう私の様子を見たら、きっと周りは委縮してしまうでしょう。ミスを出してはいけないと、ダブルチェックからトリプルチェックに変更したり、妙な根回しを始めたりすることで、余計な仕事が増えてしまう可能性もあります。それではチーム全体の士気は下がってしまい、悪い影響を与えるばかりです。

確かに部下は上司の振る舞いに、敏感に反応しますね。

上級管理職や経営層になれば、会社の経営が傾くことがあってはならないだけに、判断ひとつとってもメンタルにかかる負担は相当なものです。特に上の立場になるほど、その人の精神状態が組織全体に反映されることもあり、自分を知ることが非常に重要になってきます。

Googleでは社内のストレスマネジメントに、マインドフルネスを取り入れています。今に意識を集中して自分の状態に気づくことが、組織のパフォーマンス向上につながると考えているからです。実際、管理職が心身ともに健やかな状態であれば、クレドなどで行動を言語化しなくても、ポジティブでヘルシーな組織を築けるのではないでしょうか。

自分の感情に向き合うのは、決して簡単なことではありません。苦しい思いと対峙しなければならないときもあるからです。しかし真のメンタルケアは、自分の心を知ることから始まります。ぜひ1日に1度でいいので、自分の状態に耳を傾けてみてください。

(取材:2021年9月28日)

企画・編集:『日本の人事部』編集部

Webサイト『日本の人事部』の「インタビューコラム」「人事辞典「HRペディア」」「調査レポート」などの記事の企画・編集を手がけるほか、「HRカンファレンス」「HRアカデミー」「HRコンソーシアム」などの講演の企画を担当し、HRのオピニオンリーダーとのネットワークを構築している。


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