ソニーグループの取り組み事例から紐解く
社員の主体性を活かすスキルベースド人材ポートフォリオの活用
- 望月 賢一氏(ソニーグループ株式会社 安部執行役専務室・組織開発アドバイザー)
- 山本 寛氏(青山学院大学 経営学部 教授)
- 谷崎 勝乃進氏(ワークデイ株式会社 シニアプリンシパル カスタマーサクセスマネージャ)

経営戦略に基づき、人材の構成要件を可視化する「人材ポートフォリオ」。作成する軸は多様だが、注目されている分け方の一つが「スキルベース型」だ。本セッションでは、ソニーの望月氏と青山学院大学の山本氏をゲストに迎え、社員自身が専門性を意識して自律的にキャリア形成を図っていくことの意義や、そのために企業は何ができるのかを、ソニーグループの事例を基に紹介。ワークデイの谷崎氏を交え、社員目線の人材ポートフォリオの必要性についても議論を深めた。

(もちづき けんいち)ビジネスパートナー人事、製造事業所での人事総務等を経て2016年ソニー人事センター長、2020年より2022年までソニーピープルソリューションズ 代表取締役社長を務め、Global HR Platform部門長、DE&I部長も兼任。現在はソニーグループ 安部執行役専務室・組織開発アドバイザーを担当。

(やまもと ひろし)人的資源管理論担当。博士(経営学)。メルボルン大学客員研究員歴任。働く人のキャリアとそれに関わるマネジメントが専門。著作は『連鎖退職』・『なぜ、御社は若手が辞めるのか』・『「中だるみ社員」の罠』(以上、日経BP)、『人材定着のマネジメント』(中央経済社)、『働く人の専門性と専門性意識』(創成社)等。

(たにざき かつのしん)25年にわたりERP導入コンサル、人材育成、組織・人事コンサルティングに従事。前職のコーン・フェリーでは事業責任者として次世代経営人材育成、グローバルタレントマネジメント等のコンサルティングを実施。現在CSMとして数多くのHRトランスフォーメーションを支援。マサチューセッツ大学ローウェル校MBA卒。
これからの組織は「スキルベース型」
本セッションの協賛企業であるワークデイは米国に本社を持ち、グローバルに活用できる人事管理システムを展開している。同社のクラウドERPシステムはAIと機械学習をプラットフォームのコアに組み込んでおり、さまざまな企業規模の組織の課題に対応できることを強みとしている。ワークデイのユーザー数は7,000万人を突破し、グローバルの顧客数は1万社を超える。
ワークデイ シニアプリンシパルカスタマーサクセスマネージャーの谷崎勝乃進氏は冒頭、「人材を取り巻く環境がグローバルレベルで複雑になってきている。どのような企業もビジネスソリューションの変革とともに、将来のビジネスのために人材に求める要件が変化しつつある」と、人材を取り巻く環境について概観した。
さらに谷崎氏は、日本では強固なメンバーシップ雇用が根強く残りながらも、少子化の進展や転職マーケットの活性化などにより、会社と個人の関係性に大きな変化がみられると指摘。そんな中で人材ポートフォリオの構築に苦労する企業が増加しており、谷崎氏のもとにも多くの相談が寄せられるという。
そのような問題提起を受け、青山学院大学 経営学部 教授の山本寛氏が登壇。まずは学術的な知見から、人的資本経営に必要とされている各要素同士の相関関係について紹介した。それによると、「人的資本経営の実現に向けた検討会報告書(人材版伊藤レポート)」で重要とされた要素のうち、「経営戦略と人材戦略の連動」「As is - To Beギャップの定量把握」「リスキル・学び直し」が「動的な人材ポートフォリオ」と強い正の相関を示した。山本氏はこのことからも、「人材ポートフォリオを構築していく取り組みは、人的資本経営を進めていくことにつながる」とその意義を述べた。
Workday は、組織にとって最も重要な資産である人事と財務管理を効果的に実行できるよう支援する、最先端のエンタープライズ プラットフォームです。中規模企業から Fortune 500 企業の 60% 以上に至るまで、10,500 以上の世界中の様々な業界組織が Workday を導入しています。
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