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業務上疾病

「業務上疾病」とは、特定の業務に従事していることによってかかる、もしくはかかる確率が非常に高くなる病気の総称。俗に言う「職業病」のことです。業務上疾病は労働基準法の用語で、医学用語では「職業性疾病」と表現されます。労基法第75条により、労働者が業務上疾病にかかった場合、使用者は必要な療養を行い、その費用を負担しなければなりません。また、同法施行規則第35条は業務上疾病の範囲と分類を示し、後述の9項目を規定しています。
(2015/11/11掲載)

ケーススタディ

最も多いのは腰痛で7割超、うつ病も増加
業務を離れた後でも因果関係があれば認定

労働基準法では、特定の職業や業務との因果関係が確立された「業務上疾病」として、以下の9項目を規定しています。(8)、(9)により、例示疾病の追加・見直しや個別の認定ができる規定内容となっています。

 (1)業務上の負傷に起因する疾病
 (2)物理的因子による疾病(潜水病、騒音による難聴など)
 (3)身体に過度の負担のかかる作業態様に起因する疾病(腰痛、腱鞘炎など)
 (4)化学物質等による疾病(化学物質に起因する呼吸器疾患・皮膚疾患、酸素欠乏症など)
 (5)粉塵を飛散する場所における業務によるじん肺症又はじん肺と合併した疾病
 (6)細菌、ウィルス等の病原体による疾病
 (7)がん原性物質若しくはがん原性因子又はがん原性工程における業務による疾病
  (石綿業務による肺がん又は中皮腫など)
 (8)その他厚生労働大臣の指定する疾病
 (9)その他業務に起因することの明らかな疾病

こうした業務上疾病は必ずしも業務中に発症するとは限らず、短期で発症するケースもあれば、何年も経ってから発症することもあります。その業務の担当から離れて、時間が経っていたとしても、業務で有害な影響にさらされていたことに起因し、業務とその疾病との間に相当な因果関係があると認められた場合は、業務上疾病が認定されます。

厚生労働省発表の「業務上疾病発生状況等調査」(平成26年)によると、業務上疾病の年間発生件数は7415件で、前年を約100件上回りました。平成10年以降、おおむね年間7000~8000件で推移しています。疾病別に近年の傾向を見ると、業務上疾病で最も多いのは「腰痛」。発生件数全体の約7割を占め、業種の違いを考慮しても、全体的に高いレベルにあります。また最近では、業務上のストレスや過重労働などに起因するうつ病などの精神障害が増加、これも上記項目の(9)として、業務上疾病に認定されるケースが増えてきました。平成25年度の「脳・心臓疾患と精神障害の労災補償状況」によると、精神障害の労災請求件数も1409件(前年度比152件増)で過去最多となっています。ストレスチェック制度への対応を含め、従業員のメンタルヘルス対策は喫緊の課題だといえるでしょう。