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【ヨミ】ブイ ディー ティーショウコウグン

VDT症候群

VDTとは、Visual Display Terminal(ビジュアル・ディスプレイ・ターミナル)の略で、パソコンやタブレット、スマートフォンのディスプレイなど表示機器の総称。これを使用する作業(VDT作業)を長時間続けることによって、心身にさまざまな不調をきたす健康障害を「VDT症候群」といいます。目の疲れや首・肩の凝り、腰痛といった身体的症状だけでなく、不眠やイライラ、抑うつなど精神面に影響を及ぼしやすいのが特徴で、テクノストレス症候群とも呼ばれます。職場におけるVDT作業の普及・増大を受けて、厚生労働省は労働衛生管理の観点から、新しい「VDT作業における労働衛生管理のためのガイドライン」を2002年に策定しています。
(2014/5/26掲載)

ケーススタディ

厚労省も注視しガイドラインを策定
適切な作業時間管理で負担の軽減を

VDT症候群」による健康障害の症状は以下
のとおり、「目」「身体」「心」の三つに大きく分けられます。

■ 「目」の症状  :充血、眼精疲労、ドライアイ、目の痛み、視力低下など
■ 「身体」の症状 :首の痛み、肩こり、腰痛、身体のだるさ、腱鞘炎など
■ 「心」の症状  :イライラ、抑うつ、不眠など

厚生労働省では、1998年から「技術革新と労働に関する実態調査」を行い、VDT作業に対する労働者の適応状況や職場環境や労働衛生管理の実態などを、5年ごとに調査しています。全国で事務、販売などに従事する約16000人を対象に行った2009年の調査によると、「VDT作業でストレスを感じる」と答えた人の割合は全体の34.6%、「VDT作業で身体的な疲労や症状がある」と答えた人は68.6%にのぼっています。これを症状の内容別にみると、最も多いのが「目の疲れ・痛み」(90.8%)で、次に多いのが「首、肩のこり・痛み」(74.8%)、「腰の疲れ・痛み」(26.9%)、「頭痛」(23.3%)、「背中の疲れ・痛み」(22.9%)と続きます。

また、労働日1日当たりの平均VDT作業時間との関連性についても、身体的な疲労や症状を感じていると答えた人の割合は「4時間以上6時間未満」が81.7%、「6時間以上」が84.9%と8割を超えており、1日あたりのVDT作業時間が長くなるほど、身体的な不調を感じている人の割合が高いことがわかりました。「VDT症候群」と総称される健康障害は、長時間同じ姿勢で一つの画面を凝視し、目などを酷使することから、体の各部分に負担がかかって引き起こされると言われますが、調査結果もそれを裏付けています。さらに長時間のVDT作業にともなうストレスが、うつ病など精神疾患の一因になる可能性があるとも言われています。

とはいえ、スマートフォンやタブレット端末などの普及ともあいまって、ビジネスパーソンがVDTを使用する頻度はますます高まり、また使用する時間も長くなっています。労働衛生管理の観点から、企業もVDT作業者の負担軽減にすすんで取り組んでいかなければ、心身の不調が職場にまん延するリスクは高まる一方でしょう。

厚労省が策定した、新しい『VDT作業における労働衛生管理のためのガイドライン』では、適切な作業時間管理などについて以下のように定めています。

・連続作業時間内において1~2回程度の小休止を設けること
・連続作業と連続作業の間に10~15分の作業休止時間を設けること
・1連続作業時間は1時間を超えないようにすること
他の作業を組み込むか、また他の作業とのローテーションを実施することなどにより、
 一日の連続VDT作業時間が短くなるように配慮すること