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【ヨミ】エモダイバーシティ

エモダイバーシティ

「エモダイバーシティ(Emodiversity)」とは、多様な感情を受け入れている状態のことをいいます。日本語では「感情の多様性」と訳されます。ポジティブとネガティブ両方の感情のグラデーションを心に持っている人ほどウェルビーイングが高く、心身ともに健康であると考えられています。ビジネスにおいても、エモダイバーシティの高いチームほど、チーム全体の創造性が高くなる傾向にあるという研究結果もあります。

ケーススタディ

性別、国籍、年齢だけじゃない
「感情の多様性」という考え方

人材を採用したり、プロジェクトメンバーを決めたりするときは、ポジティブで楽観的な人が選出されやすいものです。陽気で前向きな人はチームの雰囲気を良くし、高いパフォーマンスを上げると期待されるため、リーダーはポジティブな人ばかりで陣営を固めようとします。

しかし、米国やオーストラリアで行われた研究により、ポジティブな人だけで構成されたチームよりも、ポジティブな人もネガティブな人もいる混合チームのほうが、創造性が高いことがわかりました。チーム内のエモダイバーシティが高いほど、チームはクリエイティビティを発揮するのです。

最近はダイバーシティへの関心が高まっており、性別、国籍、年齢などにおいて多様な人材を登用する機運が高まっています。性別や年齢といった、外見から識別しやすい属性のことを表層的ダイバーシティといいますが、人が持つ多様性はそれだけではありません。

コミュニケーションスタイルや価値観など、目に見えない違いを深層的ダイバーシティといいます。エモダイバーシティのようにさまざまな感情を集結させることは、まさに深層的ダイバーシティに迫る取り組みです。

ここまで「チーム」としての感情の多様性について言及してきましたが、「個人」も多様な感情を持っています。人の性格の話になると、「ポジティブな人」「ネガティブな人」と二項対立で語られがちですが、個人の中にはポジティブな面とネガティブな面の両方があり、二つに分けられるものではありません。エモダイバーシティが豊かな人ほど、多様な感情を表現することができ、ネガティブな感情を表出したり受け止めたりすることでウェルビーイングが高くなります。

企画・編集:『日本の人事部』編集部