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【ヨミ】マイクロブレイク

マイクロブレイク

「マイクロブレイク」とは、昼休みや有給休暇などの予定された休みとは別にとる、数分から10分程度までの短い休憩のこと。同僚と雑談をしたり、軽食や飲み物を買いに行ったりする時間がこれに当たります。米国のノースカロライナ州立大学心理学科のソフィア・チョウ氏らの研究により、小休止をとることで、終日、精力的に仕事に取り組める可能性が高まることがわかりました。

ケーススタディ

雑談、おやつ、ストレッチが倦怠感を吹き飛ばす?

集中力の持続時間は大人の場合、平均50分と言われています。ただし50分間ずっと集中しているわけではなく、15分周期で集中力の波があるため、厳密に言えば15分しか集中できません。

多くの会社では、1日あたりの勤務時間が7~8時間となっています。昼休みがあることを考えると、午前に3時間働いて、1時間休憩し、午後に5時間働くというスケジュールになるでしょう。この3時間や5時間の間には、トイレに行ったり、同僚とおしゃべりをしたり、おやつを食べたりもするでしょう。こうしたマイクロブレイクは、日本人の感覚からするとあまり好ましくないように思えますが、一日中仕事に前向きに取り組むためには必要不可欠であることがわかりました。

チョウ氏らは、米国と韓国で実施した二つの研究結果を基にマイクロブレイクが有効であることを示しています。どちらの研究においても、十分な睡眠をとることができず朝から倦怠感があった人たちが、頻繁にマイクロブレイクを取ることによって終日活力的に働くことができ、仕事のパフォーマンス向上につながっていたといいます。また、経営層が健康とウェルビーイングに対する高い意識を持っていると従業員が認識している場合、マイクロブレイクをとる確率が高いこともわかりました。

同僚と話す、会議室へ移動する、コンビニに行くといった何気ない行為が、その後の集中力を維持・向上させる要因になっていたのです。しかし在宅ワークの場合は、事情が異なります。適切な話し相手がいないのでマイクロブレイクを取りづらく、過集中になりやすい環境であることが多いでしょう。そんなときは、決まった時間にラジオ体操をする、コーヒーを入れるなど、家にいながらマイクロブレイクをとる習慣を身につけることで、エネルギッシュな状態を長く保つことができます。

・参考
Tired at the Office? Take a Quick Break. Your Work Will Benefit.(NC State News)

企画・編集:『日本の人事部』編集部