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【ヨミ】カキンチョウ

過緊張

「過緊張」とは、ストレスによる緊張で、交感神経が過剰に優位になってしまう状態のこと。自律神経は交感神経と副交感神経からなり、両者が上がったり下がったりしながら均衡を保っています。しかし、強いストレスにさらされたときや慢性的なストレス状態が続いているときには、交感神経から副交感神経への切り替えができず、過緊張が続いてしまうことがあります。その結果、睡眠障害や疲労感、頭痛など、さまざまな症状を引き起こす恐れがあります。

ケーススタディ

便利なリモートワークの陰で
「過緊張」が引き起こすメンタル不調

コロナ禍で、リモートワークが浸透した現在。満員電車に揺られる必要はなく、出社していたときほど身だしなみに気を遣う必要もありません。家事や育児との両立がしやすいリモートワークは、私たちの“働く”という概念に変化をもたらしました。

一方、リモートワークによる負の側面もあります。その一つが、仕事のオン・オフの切り替えが難しいこと。自宅というプライベート空間の一部が仕事場になることで、深夜まで残業したり、勤務時間が終わっても仕事のことを考え続けたりするなど、プライベートとの境界線が曖昧になっています。その結果、いつまでもオフの脳に切り替えることができず、夜になっても交感神経が優位のままになることがあるのです。

過緊張が続くと、寝つきが悪い、眠りが浅くなるといった睡眠障害、疲労感、頭痛などを引き起こし、うつ状態に発展することがあります。日中に上司から言われたことが夜になっても忘れられなかったり、仕事のことが心配で眠れなかったりする人は、過緊張状態にあるかもしれません。

自律神経の乱れをおさめるには、まず呼吸を整えること。緊張した筋肉を緩めるためのストレッチや、血流を良くするための入浴もおすすめです。

自分自身で過緊張に気づき、対策を講じられることが理想的ですが、管理職や同僚、人事部などにできることもあるはずです。業務負荷や勤務時間を可視化したり、感情を分かち合う時間を設けたりするなど、過緊張状態にあるメンバーにいち早く気づける体制を整えることが大切です。

企画・編集:『日本の人事部』編集部