【ヨミ】ケンコウジュミョウ
健康寿命
「健康寿命」とは、2000年に世界保健機関(WHO)が提唱した指標で、平均寿命から寝たきりや認知症など介護状態の期間を差し引いた、健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間のことをいいます。日本は長寿国家として知られていますが、厚生労働省によると、2016年時点の健康寿命は男性で72.14歳、女性で74.79歳でした。平均寿命と健康寿命の差は「健康ではない期間」を表し、男性で8.84年、女性で12.35年となっています。
「健康な高齢者」をどのように
健康寿命の延伸を組織づくりに生かせるか
2020年の日本人の平均寿命は、女性が87.74歳、男性が81.64歳で男女ともに9年連続で過去最長を更新しました。2019年は世界1位を香港に譲ったものの、調査の対象範囲に変更があったことから、2020年は日本が女性世界1位、男性2位となりました(男性の1位は、スイスの81.9歳)。
平均寿命が延び続けているのは、医療技術の進歩や健康意識の高まりが要因とされています。では、健康寿命はどのように推移しているのでしょうか。
女性の健康寿命は、2004年に72.69歳、2010年に73.62歳、そして2016年は74.79歳でした。男性の健康寿命は、2004年に69.47歳、2010年に70.42歳、2016年は72.14歳。平均寿命の延びとともに、健康寿命も延びていることがわかります。
しかし、平均寿命と健康寿命の差である「健康ではない期間」は大きく縮まっていません。医療の発達という観点から見ても、今後も平均寿命は延び、健康寿命との差がむしろ拡大していくことも考えられます。この差を拡大しないためには、疾病を予防し、健康な期間を延伸する必要があります。その結果、個人のQOL向上のみならず、社会保障負担の軽減にもつながります。
日本は意欲があれば働くことに年齢を問わない「エイジレス社会」を目指しているため、近い将来、多くの企業で60代、70代、80代の社員が在籍していることも珍しくなくなるかもしれません。
シニア社員にイキイキと働いてもらうために役職定年や報酬といった制度面を再検討すること、年齢を重ねていることが不利益に働かないように多様性を受け入れる組織づくりを進めることが、企業には求められています。
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