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【ヨミ】プレップホウ

PREP法

「PREP法」とは、会話や文章において説得力を高めるための手法のことをいいます。結論から先に話すことで論理的に要点を伝えることができるため、ビジネスシーンなどで好まれる話し方です。PREPとは、「Point(結論・要点)」「Reason(理由)」「Example(事例・具体例)」「Point(結論・要点)」の頭文字をとったもの。「P」が最初と最後にあることからもわかるように、結論を繰り返すのが特長です。結論を最初に述べてから理由や具体例を挙げ、最後に再び結論を述べるため、相手の記憶に残りやすいと言われています。

ケーススタディ

ビジネスには向かない「起承転結」
聞き手が知りたいのは、ネクストアクション

話すことに苦手意識がある人なら、クライアントへのプレゼンテーションだけではなく、社内のミーテイングで発言するときでさえ、緊張するかもしれません。自分が話しているときに聞き手のつまらなそうな顔を見ると、「それで、何が言いたいの?」と言われるのではないかと不安になってしまう。そんな人は、PREP法のフレームワークに沿って、発言する内容を事前に決めておくといいでしょう。

日本では文章を書くとき、起承転結をつけるように教わります。確かに起承転結は時系列に話が進むため、体験した出来事や物語を伝えるのに向いています。しかし、ビジネスの現場などで目的があって行われるコミュニケーションには不向きです。

例えば、部下から「先ほど訪問した○○社の担当者がお怒りのようで、来月の契約金を安くしろといってきました。誤解を解くためにこんな説明をしたのですが、なかなか理解してもらえず……」と相談を受けたらどう感じるでしょうか。聞き手の上司からすれば、発言の内容が冗長で、問題が続いているのか解決したのかが理解しにくく、次の行動につながる情報がありません。

そこでPREP法を用いて、「○○社との間にトラブルがあったので、謝罪に同行してください」もしくは「○○社でトラブルがあったのですが、解決しました」と、聞き手にとって最も重要な結論を最初に伝えるようにするとコミュニケーションがスムーズになります。

また、限られた時間で漏れなく情報を伝達しようとする場合も、PREP法のフレームワークを活用することができます。先ほどの例で言うと、「○○社でトラブルがあったが解決した(結論)」「先方の誤解だとわかったから(理由)」「管理者設定を間違えているようだった。こちら側でできる改善としては、管理画面のインターフェースを改善すること(具体例)」「だが、ひとまず解決済みだ(結論)」とすれば報告としても質が高くなり、コミュニケーションの齟齬も減らすことができるでしょう。

企画・編集:『日本の人事部』編集部