講演者インタビュー
HRBPが戦略パートナーへ進化する勘所。「事業をファシリテーションする力」の解像度を上げる。

株式会社HR and 代表取締役/JAXA人事部 客員
神吉 徹二氏
HRが事業の戦略パートナーとして進化すべく、多くの企業でHRBP担当や部門が設置されていますが、業務のオペレーション支援や短期的な問題解決支援にとどまっている実態もよくみられます。戦略パートナーになる勘所は「HRBPが実行する」ことで価値をだす状態から「この組織人事課題を自分たちが自ら解きたい!」と事業に当事者性が宿る支援をすること。HRBPファシリテーションのリアルを本講演にてお伝えします。
―― 今回の貴社講演はどのような課題をお持ちの方向けの内容でしょうか?
HRBPという役割や部門を設置したが事業への提供価値が上がっておらず、ファシリテーションに活路を見出そうとされている方向けの講演です。
HRBPの成長には、①人事の専門性、②事業の解像度の両方を高めていくことが必要だと言われます。しかし、HRBPにはこの二つの能力だけでなく、「事業が自ら組織・人事課題を解きにいくコミットを引き出す視点」が必要です。HRBPは、この三つをそろえることで戦略的パートナーになれるのです。
事業を運営する複数人のキーマンがいる場で、本当に解決したい組織・人事課題の意志決定・合意形成を支援することで、実行力を担保することができます。
―― 今回の講演の聞きどころ・注目すべきポイントをお聞かせください。
当社は主に大手企業に対して、社外HRBPとして、ファシリテーションを武器に2種類の価値を提供しています。
一つ目は、社内HRBPの方と一緒に事業変革の場面に対峙し、実際の事業本部キーマンの方々をファシリテーションしながら、当社のナレッジと当該企業の状況を合わせたオリジナルなHRBPプレイブックを作成するプロジェクトです。プレイブックを作成する過程で、社内HRBPの成長支援につながっています。
二つ目は社内HRBPのリソースが不足している企業に対し、事業本部からの依頼を受け組織・人事戦略を事業自身が整理することを支援するプロジェクトです。本部長レイヤーからの依頼でしたが、課長レイヤーまでを巻き込み「事業が本当に解決するべき組織・人事課題」を絞り込みました。優先順位を高めるファシリテーションをすることで、その後の実行力を担保できた事例です。
HRBPとして、ファシリテーションを使った支援がなぜ有効なのかという観点と、事例を活用した事業への伴走支援の勘所についてお話させていただきます。
―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。
HRBPが戦略パートナーになっている状態とは、「事業⇔組織・人事」の連動(=アラインメント)を担保できていることを言います。
ただし、「事業の組織・人事課題」である以上、担保する責任はあくまでも事業が担っている状態が望ましく、その前提の上でHRも協働責任者(co-responsible)として、なくてはならない存在になることが戦略“パートナー”としてのあるべき姿です。
ファシリテーション的な支援をすることで、大きなハレーションなく、事業が自然に進化していくお手伝いができることを確信しています。
当日は、ファシリテーションに活路を見出す同士の方々とお会いできることを楽しみにしています!
- 神吉 徹二氏(かみよし てつじ)
- 株式会社HR and 代表取締役/JAXA人事部 客員
- ファシリテーション型HRBPサービスを提供する株式会社HR andを創業、代表取締役。デロイトトーマツコンサルティング、リクルートホールディングス、RPAホールディングスで、制度企画・運用、HRBP、HR部門のマネジメント等を経験し独立。JAXA人事部客員として、組織開発全般のアドバイザーも務める。

「日本の人事部」「HRカンファレンス」「HRアワード」は、すべて株式会社HRビジョンの登録商標です。
当社はプライバシーマーク取得事業者です。類似のサービスやイベントとの混同にご注意ください。