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日本の人事部「HRカンファレンス2025-秋-」 
				2025年11月19日(水)・20日(木)・21日(金)・26日(水)・27日(木)・28日(金)開催

[主催]日本の人事部「HRカンファレンス」運営委員会[後援]厚生労働省

講演者インタビュー

日本の人事部「HRカンファレンス2025-秋-」トップ 講演者インタビュー 成山 育宏氏(住友生命保険相互会社 法人総括部 担当部長 兼 新規ビジネス企画部「Whodo整場」事業責任者)インタビュー

300社との対話から紐解く!
「プレコンセプションケア」の理解促進と「不妊治療」支援の課題と実践事例

成山 育宏氏 photo

住友生命保険相互会社 法人総括部 担当部長 兼 新規ビジネス企画部「Whodo整場」事業責任者

成山 育宏氏

不妊の検査や治療は約4.4組に1組の夫婦が経験しているといわれています。また、この支援をする企業も増えてきており、対策を講じないと離職のリスクにつながる恐れがあります。本講演では、人事が伝えるべき「プレコンセプションケア」の概念から、理解促進の手法を整理します。そのうえで約300社との対話から見えてきた課題と取り組みを紹介し、従業員のリアルな声や世代間の意識の違いも踏まえた示唆を提供します。

―― 今回の貴社講演はどのような課題をお持ちの方向けの内容でしょうか?

「不妊治療と仕事の両立支援」は重要である一方、デリケートなテーマでもあります。そのため、「社内でどのような反応があるか分からない」「ハレーションが起きないか」「対象層が狭いのではないか」などと不安視し、実践に踏みこめていない、あるいは制度は整えたが利用者がいない、などの企業も多いのが実態です。

本講演では、約300社との対話から見えてきた以下の点について、実践事例を交えて解説します。

・経営層や上長に対する、企業として取り組むべき大義名分(ストーリー作り)
・社内への打ち出し方の工夫
・施策をやりっぱなしにせず「点」を「線」に変える方法
・他社の事例をそのまま参考にして良いのか

「プレコンセプションケア」(性や妊娠に関する正しい知識を身に付け健康管理を行うよう促すこと)も、健康経営度調査のアンケート項目にも追加されて非常に注目を浴びています。一方で、社内でどう取り上げるかのイメージが湧かない、という声も多く伺います。こちらも実践事例を交えてコツをご紹介します。

―― 今回の講演の聞きどころ・注目すべきポイントをお聞かせください。

「不妊治療と仕事の両立支援」は、頻繁な通院という物理的な困難、精神的ストレス、孤立感、そしてキャリアへの不安などが含まれますが、この問題は決して特殊なものではありません。

約4.4組に1組の夫婦が不妊の検査や治療を経験しているというデータもあり、多くの従業員が直面しうる課題となっています。しかし、デリケートでオープンにされにくい治療であるため、企業もその実態を把握できておらず、「隠れ離職」が発生しているケースも少なくありません。

不妊治療を理由とした離職による経済損失は、従業員一人当たり745万円にものぼると試算されています。本来防げるはずの人材流出を招いているとすれば、看過できるものではありません。特に、管理職や管理職候補となるような年代の従業員が該当することも多く、経済損失以上の痛手になる可能性もあるため、企業としてはリスクを抱えていることになります。

管理職が部下から、不妊治療やその他の身体不調に関する相談を受けた際の受け答えなど、ハラスメント予防の観点も無視できません。管理職は板挟みになって負担のかかるポジションでもあるからこそ、企業としてその管理職たちを守る、という観点も非常に重要になってきます。

―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。

不妊治療という、非常にデリケートなテーマを取り扱うことは、一見チャレンジングな取り組みと感じるかもしれません。

しかし、あらゆる社員の両立を支援する企業風土づくりは、「育児」「介護」「私傷病」などの他のライフイベントや、「女性特有の健康課題」「男女の更年期症状」などの健康課題と、仕事の両立を支援する土台となります。

さまざまな両立支援があるなかで、特定のテーマを取り残さず、真にインクルーシブな組織を構築するための重要な第一歩を踏み出してみませんか。

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講演者プロフィール
成山 育宏氏(なりやま やすひろ)
住友生命保険相互会社 法人総括部 担当部長 兼 新規ビジネス企画部「Whodo整場」事業責任者
多様な管理職ポジションを歴任。現在は、自身の実体験をもとに、不妊治療と仕事の両立支援のための企業風土づくりサービス「Whodo整場(フウドセイバー)」を立ち上げ、約300社と対話。企業の実態に即したアドバイスを行っている。(保有資格:両立支援コーディネーター・健康経営アドバイザー)。

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