講演者インタビュー
“成長実感中毒”の時代に、若手をどう育てるか? SNS世代のキャリア焦燥と多様化時代への向き合い方

株式会社ラクスパートナーズ 営業推進部 部長
漆島 卓弥氏
なぜ今の若手育成はこれほど難しいのか? 現場のマネジメント層からの育成に苦労する声をよく耳にします。本講演では、『なぜ「若者を育てる」のは今、こんなに難しいのか』著者・古屋星斗氏を迎え、SNS世代のキャリア焦燥や“成長実感中毒”とどう向き合うかを考えます。画一的な育成では届かない多様な若手に対し、個に寄り添い、意味ある成長を支援するためのマネジメント実践を3つのテーマで深掘りします。
―― 今回の貴社講演はどのような課題をお持ちの方向けの内容でしょうか?
若手人材の早期離職やマネジメントに課題を感じている人事・育成担当者の方に向けた内容です。SNS世代と呼ばれる若手の多くが、“他者と比較される環境”や“即時の評価”にさらされ、成長への焦り=「キャリア焦燥」を強く感じています。こうした理由から、従来型の画一的な育成やマネジメントでは対応が難しくなってきました。本講演では、SNS世代が抱える心理をひもときながら、個々に合わせた育成・定着支援のヒントを考えます。
―― 今回の講演の聞きどころ・注目すべきポイントをお聞かせください。
本講演では、『なぜ「若者を育てる」のは今、こんなに難しいのか』の著者であり、若手育成やキャリア形成の実態に詳しい古屋星斗氏を迎え、SNS世代の育成におけるリアルな課題に迫ります。古屋氏が指摘する「若者の育ちづらさ」は、単なる世代論では語れない、社会構造や情報環境に起因する複雑な要素が絡んでいます。
特に注目したいのは、若手が抱える“キャリアダッシュ”の心理です。テーマ(1)では、SNSを通じて他者の成功や承認が可視化されるなか、「早く成長したい」「今すぐ評価されたい」といった焦燥感がどのように形成され、離職や過度なキャリア設計に影響しているのかを読み解きます。
テーマ(2)では、Z世代というひとくくりでは対応しきれない、価値観・キャリア観・承認の形の多様化を前提に、「この人に合った育成・関わり方」とは何かを考察。多様な若手に対して、現場や人事がどう対応を最適化していくべきかを探ります。
そしてテーマ(3)では、「あせらせず、あきらめず育てる」ために、現場マネジメントが果たすべき役割や仕組みを共有。WILL・CAN・MUSTの言語化、プロセス承認、小さな成功体験の設計など、実践的な取り組み例も交えて議論を深めます。
「最近の若者は……」「Z世代って……」で片づけない、本質的な育成のヒントを得たい方におすすめです。
―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。
私たちは、「若手をどう扱うか」ではなく、「若手が育つ環境を用意できるか」がこれからの組織づくりの鍵だと考えています。
SNS世代の承認欲求やキャリア焦燥を“課題”ではなく“理解の入り口”として捉えることで、育成も組織も変わっていけます。未経験からITエンジニアを育成・派遣するラクスパートナーズは、20年強に渡り、若手人材のリスキリングに向き合ってきました。この知見と古屋氏との対談を通して、現場と人事が一体となって、個に向き合う育成のヒントを一緒に考える場にできればと思っています。ぜひご参加ください。
- 漆島 卓弥氏(うるしま たつや)
- 株式会社ラクスパートナーズ 営業推進部 部長
- 大手証券会社にて複数の新規ビジネス立ち上げを実践後、コンサル会社にて科学的マーケティングによる戦略立案、投資ファンド事業再生案件や外資系IT企業にてビジネスモデル変革、事業・営業戦略の構築と実践、チェンジマネジメントや組織開発をハンズオンで主導。複数の事業責任者を歴任し、2021 年 2月より現職。

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