講演者インタビュー
ミドル・シニア人材の活躍を促すには
Will-Can-「Must」に代わる「Offer」という考え方

クミタテル株式会社 代表取締役社長
向井 洋平氏
人手不足と高齢化が加速する中、ミドル・シニア人材のパフォーマンス最大化は多くの企業において重要課題となっています。一方、具体的に何をすればいいのか分からないという声もよくお聞きします。本講演では、ミドル・シニア活躍を促すための「Will-Can-Offer」という新しいフレームワークをご紹介。なぜそのフレームワークが有効なのか、活用するための前提条件、実践にむけて必要なポイントを4つお話しします。
―― 今回の貴社講演はどのような課題をお持ちの方向けの内容でしょうか?
若年層の人口減少が進行し、人手不足の課題が顕在化するようになりました。人手不足への対応という観点から、単にシニア雇用を確保するだけでなく、その前段階にあたるミドル世代も含め、「ミドル・シニア人材が力を発揮し続けられる環境」を戦略的に整えることが不可欠となっています。
一方で、「ミドル・シニア人材が活躍できる環境を整えるために、具体的に何をすればいいのか」という課題に悩んでいる企業は少なくありません。本講演は、特に以下のようなお悩みをお持ちの皆さまにぜひご参加いただきたい内容となっています。
・現在のシニア向け人事制度や取り組みに限界を感じている
・ミドル・シニアのモチベーション低下を何とかしたい
・ミドル・シニア人材活躍を促す取り組みを強化したいが、何を行うべきか悩んでいる
・シニア人材のマネジメントに苦労している
―― 今回の講演の聞きどころ・注目すべきポイントをお聞かせください。
ミドル・シニア活躍の場づくりにおいて、多くの企業が直面するのが次の課題です。
「何を任せればよいのか、役割が定まらない」
「本人に主体性を持ってキャリアや役割を考えてほしいが、実際には動きが鈍い」
従来、目標設定やキャリアプラン策定では「Will-Can-Must」フレームワークが広く使われてきました。しかし、豊富な経験や多様な価値観を持つミドル・シニア層に、一方的にMust(やるべきこと)を渡すアプローチはミスマッチを引き起こし、主体性や納得感を引き出すのが難しいのが実情です。
そこで私たちがおすすめするのが、「Mustに代えてOfferをミドル・シニアに対して提示する」という考え方です。経営や事業計画達成の視点からミドル・シニアに担ってもらいたい役割や職務を整理し、それに見合った労働条件とセットでOfferを提示するのです。
本講演では、Mustに代えてOfferを提示する「Will-Can-Offer」のフレームワークをご紹介します。講演でご注目いただきたいのは、以下の点です。
・なぜ「Must」ではなく「Offer」がミドル・シニア活躍に有効なのか
・「Will-Can-Offer」活用の前提条件は何か
・「Will-Can-Offer」実践のための四つのポイント
―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。
春のHRカンファレンスでは、これからの高齢者雇用を雇用確保から戦力化へとシフトさせる必要性と、そのために乗り越えるべき壁についてお話ししましたが、「Will-Can-Must」に代わる「Will-Can-Offer」のフレームワークに多くの反響をいただきました。
そこで今回は、来るべき超高齢時代に求められる「Will-Can-Offer」のフレームワークをあらためて紹介するとともに、実践するための手順やポイントを、事例を交えてお伝えします。ミドル・シニア世代の活躍・戦力化に向けた具体的施策を検討し、実行するためのヒントをお持ち帰りいただければ幸いです。
- 向井 洋平氏(むかい ようへい)
- クミタテル株式会社 代表取締役社長
- 国内大手生命保険会社、株式会社IICパートナーズを経て、分社化によりイグジットマネジメントを専門に取り扱うクミタテル株式会社を設立。企業規模・業種を問わず高齢者雇用や退職金制度のコンサルティングを数多く手掛ける。日本アクチュアリー会正会員・年金数理人。「人事実務」「人事マネジメント」等で執筆。

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