講演者インタビュー
イノベーションが生まれない本当の理由
~組織に蔓延する「管理病」からの脱却~

株式会社HRインスティテュート 取締役 プリンシパルコンサルタント/真宗大谷派(東本願寺) 僧侶
櫻橋 淳氏
「新しい事業やサービスを起こさなければならない」——長く言われ続けてきたことです。激変する環境において、新しい価値の創出は企業存続に関わる喫緊の課題です。なぜ企業はイノベーションを起こせないのか? その理由は“組織文化”と、組織文化に大きな影響を与える“リーダーシップ”にあると考えます。本講演では企業の新規事業開発の現場に長年携わってきた経験から、その課題構造を明らかにしながら、処方箋を示します。
―― 今回の貴社講演はどのような課題をお持ちの方向けの内容でしょうか?
「10年後のわが社の姿を考えたときに、既存の事業ポートフォリオではどうにも心もとない。何としてでも新しい事業や商品・サービスを計画的に開発していかなければならない」という危機感をお持ちの経営者は多く、我々にも多くの相談をいだたきます。プロジェクトチームを立ち上げて、あるいは新規事業開発室を設置したり、デザイン思考などを駆使したりして取り組みを進めるものの、良い事業企画が生まれてこない、その理由はどこにあるのでしょう?
講演者は、その理由を“組織文化”とその組織文化に大きな影響を与えている“リーダーシップ”に見出します。あなたの組織に新しい事業が立ち上がらないのは、リーダーであるあなたが最も大きな原因となっているのかもしれません。
―― 今回の講演の聞きどころ・注目すべきポイントをお聞かせください。
HRインスティテュートは、創業以来30年以上にわたって数多くの企業の新規事業開発、新商品開発の現場に併走してきました。その中で見出されたイノベーティブな事業開発や商品開発に成功する企業の共通項とは、「高い主体性」×「高い意外性」になります。これを言いかえると「低い統制性」と「低い計画性」となります。
スタートアップ企業が成長をしていくなかで、強いリーダーシップとマネジメントによって徐々に成長を鈍化させていく姿を目にしてきました。大企業においても、トップダウン型の意思決定と正確な未来予測が、イノベーションの阻害要因になっていることも見てきました。ではこの状況から抜け出すためにはどうしたら良いのでしょう?
そのためには、主体性の醸成と意外性への耐性を組織として求めていくことが必要です。飽くなきボトムアップ文化の希求と、その中から生まれる想定外の面白さを受容する力を向上させるしか方法はありません。成功している企業事例などを通じて、イノベーティブな事業開発、商品開発のためのアイデアをお話できればと思います。
―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。
時代は効率性、生産性、ムダの排除へと進んでいます。つまり統制と管理です。しかし、統制と管理の強まった環境下ではイノベーションは生まれません。ではどうすればよいのか。創造を楽しむ組織文化と、創造を楽しむ個を育てていくほかに手はありません。新しい価値の創出を心から“面白い”と思えることが重要です。リーダーであるあなたの口癖は「面白い!」となっていますか?
- 櫻橋 淳氏(さくらばし じゅん)
- 株式会社HRインスティテュート 取締役 プリンシパルコンサルタント/真宗大谷派(東本願寺) 僧侶
- 慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科後期博士課程満期退学。英国国立ウェールズ大学経営大学院修了(MBA)。大学卒業後、世界文化社にて女性誌などの編集、グロービスにて組織開発コンサルティング、日本IBMにて戦略コンサルティング業務に従事した後、HRインスティテュートに参画。

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