――　今回の貴社講演はどのような課題をお持ちの方向けの内容でしょうか？

「人事は何をすれば業績に貢献できるのか」「企業価値向上につながる人材戦略とは何か」――本講演では、こうした課題を抱える人事担当者に向け、具体的な解決策を提示します。
多くの企業はこれまで、「社員の成長」や「能力向上」を目的に、人事制度の見直しや人材育成、エンゲージメント向上に取り組んできました。しかし、これらの施策が必ずしも社員の「行動変革」を促し、業績向上につながるとは限りません。成長やスキル向上は重要ですが、それだけでは業績は伸びないのです。つまり、企業の成長には、「行動変革」を促すための新たなアプローチが求められています。
本講演では、その鍵となる「カスケードダウン」という経営戦略の浸透策を解説します。これを実践することで、経営戦略と現場の業務が直結し、限られた時間の中で業績向上につながる行動変革を生み出すことができます。

――　今回の講演の聞きどころ・注目すべきポイントをお聞かせください。

(1)「経営戦略と人材戦略の連動」の本質がわかる
経営戦略と人材戦略を連動させるために、多くの企業は「人材ポートフォリオの構築」「ジョブ型制度の導入」「人材データの見える化」などに取り組んでいます。しかし、これらはあくまで企業が主体の取り組みであり、社員主体の行動変革を促すものではありません。本講演では、社員が行動変革を起こすために必要な「経営戦略と人材戦略の連携」とは何かを明らかにし、実践に直結するフレームワークを提示します。
(2) HRBPの意義と役割がわかる
HRBP（HRビジネスパートナー）の役割が重要視されていますが、多くの企業は「経営パートナーとしてどのように貢献すればよいか」に悩んでいます。本講演では、HRBPがどのように経営に寄与すべきか、また、社員の行動変革を促すために果たすべき役割は何かについて、カスケードダウンの事例を通じて解説します。
(3) Well-beingへの対応策がわかる
「Well-being向上が業績向上につながる」と捉え、現在企業は様々な対応策を進めています。しかし、この考え方は低成長に苦しむ多くの日本企業において、そのまま適用できるとは限りません。Well-being低下の根本要因は日本企業の長引く低迷であり、低迷からの脱却が先になければ根本解決には至らないのです。本講演では、カスケードダウンを通じて、「Well-being」がどのように改善されるのか示します。

――　講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。

人事部の役割が大きく変わろうとしている今、これまでの取り組みを振り返ると、対症療法的な施策に頼らざるを得ず、根本解決に至らないケースが少なくありません。
今回ご提案する「カスケードダウン」は、人と企業の在り方を根本から変えていくアプローチであり、このプロセスなしに、企業変革を成功させることは難しいといえるでしょう。
最初の一歩を踏み出すのは勇気がいるかもしれません。しかし、その一歩が業績向上につながる行動変革を生み出し、企業が抱える課題の解決へと直結します。本講演を通じて、この考え方を皆さんと共有し、一緒に変革のヒントを見つける機会になれば嬉しく思います。

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