講演者インタビュー
思考力の強化により「主体性」を育むには
~制度が整った先に向き合うべき、従業員の行動促進支援~

株式会社日本ラーニングシステム コンサルタント
飯森 祐氏
職場環境を様々な制度で整え、ESやCSが高まった企業が多い一方で、うまく制度が機能していないと悩んでいる企業もあります。それは制度(ハード)が悪いのではなく、社員(ソフト)がうまく制度を活用していないことが一因と考えられます。本講演では、制度の改変よりも、社員一人ひとり(個)の「主体的に思考し、行動する力」を高めることが現状打破の一助になる理由とその思考の仕方のコツを紹介します。
―― 今回の貴社講演はどのような課題をお持ちの方向けの内容でしょうか?
本当に世の中の変化が、大きく早くなりました。それに伴い、人的資本経営に注目が集まっています。社員の意識の急速な変化に、労働力不足も相まって、企業の人事部は職場環境を快適にする制度を整えました。女性活躍、在宅勤務、男性育児休暇、介護制度、1on1、社内FA制度、キャリアビジョン、心理的安全性、ハラスメント、アンコンシャスバイアスなどでしょうか。人事部は本当に多くの素晴らしい取り組みを行っています。
ただ、素晴らしい制度を構築しても、一部では思ったように機能していないとも聞きます。「人事がやれと言うから仕方がない」「忙しいのに邪魔な制度だ」「1on1で話すことはない」などの声があり、悩んでいる人事部もあるようです。
―― 今回の講演の聞きどころ・注目すべきポイントをお聞かせください。
お悩みの人事部の皆さまには、「思考力の強化」を社内研修の一つとして取り入れてほしいと考えています。制度が機能不全になる原因は多岐にわたります。それらを一つひとつ取り除くより、根本的な解決策として「社員の思考力の強化」が有効です。近年は、「~~したい」などと、一歩先を考える貪欲な思考が弱くなってきたように思われます。「今のままでいいよ」や「自分の世界に没頭するのが素晴らしい」という風潮が原因かもしれません。「今の状況は何か嫌だな」という現状の違和感から脱出するための思考力を身に付けると、制度に使われるのではなく、制度を使う側に回れます。
なぜ、使う側に回れるかというと「自己肯定感」の次のステージである「自己効力感」が醸成されるからです。「今は良い」という自己肯定だけではなく、その次の「今も良い状況だけれども、ここから先もある」「変わってもいい」、そして「変えることができる」と前向きに考える自己効力感が醸成されます。指示ばかりされたくない、もっと給料がほしい、上司が嫌いなどの違和感から脱却したい――このような現状の違和感に向き合う思考力を「ネガティブ・ケイパピリティ」と言います。
この思考力は、若手が自分の未来を切り開く時や、先輩が若手にヒアリングする時や、上司が1on1の時などに活用できます。汎用性は広く、かつ、必要不可欠な思考力と考えています。
―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。
制度を構築するには、まず制度(ハード)を作り、次に内容(ソフト)を入れるという順番が重要です。運用しながら、ハードとソフトの両方を微調整していくことが現実的な運用方法です。微調整の際に必要なのが、自分事として捉える思考力と行動力です。「今の状況から変化させてもいい」と考え、違和感を大切にする思考力があれば、道は開けます。制度がうまく運用できない方、社員に更なる主体性を身につけてもらいたい方は、ぜひご参加ください。みなさんの一助になれたらうれしく思います。お会いできるのを楽しみにしています。
- 飯森 祐氏(いいもり ゆう)
- 株式会社日本ラーニングシステム コンサルタント
- 大学卒業後、船舶会社などを経て、教育コンサルティング会社の営業に従事。その後、営業兼任講師として活躍。現在は、年120回以上、民間企業や官公庁に研修や講演会を実施。営業職として人事部の意向を組んだ、現場に寄り添った研修に定評がある。

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