講演者インタビュー
組織進化のカギは女性リーダー登用にあり!
~内省と対話が育む"女性性”リーダシップとは?~

株式会社グローセンパートナー 代表取締役
島森 俊央氏
女性マネジャーを増やしてきた企業と、男性マネジャー中心の企業では、組織風土に大きな差が生じています。VUCA時代においては、非線形思考やEQを重視する「女性性」リーダーシップが不可欠です。女性マネジャーの登用は、多様性や対話を促し、組織の活性化やリーダー育成を加速させます。本講演では、女性リーダーの登用を経営の最優先課題とすべき理由とその効果を、成人発達理論の観点から解説します。
―― 今回の貴社講演はどのような課題をお持ちの方向けの内容でしょうか?
厚生労働省は2026年4月から、従業員101人以上の企業に「女性管理職比率」の公表を義務化する方針を固めたと報道されています。多くの企業にとって、女性管理職比率の向上は喫緊の課題です。
私たちはマネジメント研修を通じ、多くの女性リーダーを見てきました。特にベンチャー企業では、性別に関係なく、男女ともに個性を活かしリーダーシップを発揮する姿が見られます。
研修の場では、女性リーダーがいると対話が活性化し、抽象度の高い内容の研修では女性リーダーの発言が増える傾向があります。また、研修内容を理解した際の変容スピードも、女性リーダーの方が早いと感じています。
私たちは、成人発達理論を学び、研修で活用してきました。本講演では、成人発達理論の観点から、なぜ女性管理職の登用が必要なのか、なぜ女性の管理職登用が進まない企業があるのかを解説し、どのように女性の管理職を増やせばよいのかについて言及します。
―― 今回の講演の聞きどころ・注目すべきポイントをお聞かせください。
鈴木規夫氏(日本におけるインテグラル理論や成人発達理論の第一人者)から、非常に興味深い話を伺いました。日本では大規模な発達測定は行われていませんが、鈴木氏によると、「成人発達理論の発達段階は、IQ(知能指数)とEQ(心の知能指数)との相関性があるのではないか」とのことです。注目すべきは、日本人のIQは世界で第1位(2024年統計)である一方、EQは最下位(2018年統計)である点です。
「発達段階はIQとEQに相関性がある」と仮定すると、発達段階を上げるためにはEQの向上が必要不可欠だと言えます。具体的には、「自己認識力」「社会的スキル」「共感力」などを高めることが求められます。
リーダーシップを男性性と女性性に分けると、男性性は「決断力・論理的思考・行動力」、女性性リーダーシップは「共感力・柔軟性・傾聴・直感力」が特徴です。この観点から、男性性リーダーはIQ、女性性リーダーはEQと親和性が高いと考えられます。
マネジャーが男性性リーダーに偏ると、「決断力・論理的思考・行動力」は強化されるものの、組織に閉塞感が生まれます。そのため、組織にはIQとEQのバランスが必要であり、EQを強化するためにも女性性のリーダーを増やすことが有効だと考えています。
本講演では、これらの視点を詳しく解説し、女性管理職比率向上に向けて企業が取り組むべき施策について、一緒に考えていきたいと思います。
―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。
当日は、皆さまからのご意見や質問を伺いながら進めていきたいと考えています。事前のご質問や、当日のお気軽なご質問・ご意見をお待ちしております。
女性リーダーが増えることで、組織は柔軟性を増し、意思決定の質も向上します。また、男性リーダーの在り方にも変化が生まれ、組織全体に良い影響をもたらすでしょう。そのような「柔らかさ」を、講演を通して表現できればと思っています。
皆さまに、ほっと一息ついていただけるような、楽しい講演にしたいと思っております。
- 島森 俊央氏(しまもり としひさ)
- 株式会社グローセンパートナー 代表取締役
- 2008年株式会社グローセンパートナーを設立 。人事制度導入や新入社員から役員/管理職クラスまでの教育研修を通して、クライアントの業績向上と社員活性化の実績を多く残している。加藤洋平氏から直接、成人発達理論を学び、自己変容の体験を進めており、一歩異なる視点でアドバイスができることが特徴である。

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