講演者インタビュー
なぜハラスメントがなくならないのか?
インシビリティ(礼節の欠如)から考えるギスギス職場の風土改革
ピースマインド株式会社 代表取締役社長
荻原 英人氏
インシビリティとは、他者への思いやり・配慮を欠いた無作法な言動のことです。例えば、上司がメンバーの発言に関心を示さないことが、徐々に対人関係のストレス要因となって離職やパワハラに繋がる恐れもあります。本講演では、インシビリティ研究の第一人者である津野氏と当社代表の荻原が登壇し、日々の小さなギスギスがハラスメント問題に繋がらないよう、どのように職場環境を改善しマネジメントするかについて紹介します。
―― 今回の貴社講演はどのような課題をお持ちの方向けの内容でしょうか?
多くの企業が直面しているのは、「ハラスメントとは明確には言えないけれど、社員がハラスメントと訴えてくる」「明確なハラスメントではないけれど、周囲への振る舞いが心理的安全性の低下や周囲の負担になっている」といった職場や対人関係に悪影響を及ぼすようなコミュニケーションの問題です。
そこで、当社では「インシビリティ(人としての礼節の欠如)」という概念に着目しました。インシビリティは、ストレスやエンゲージメント、生産性の低下や離職の問題など、今日企業が直面している重要な問題に対して大きな影響を及ぼすことがわかっています。
下記のような課題をお持ちのご担当の皆さまへ、有用な情報の提供ができれば幸いです。
・職場の空気を悪くする言動への対処に苦慮している
・心理的安全性の高い職場づくりのための意識改革を検討している
・ハラスメントとは言い切れない事案への対処に困っている
―― 今回の講演の聞きどころ・注目すべきポイントをお聞かせください。
今回の講演では、インシビリティ研究の第一人者である神奈川県立保健福祉大学大学院 津野 香奈美准教授が登壇し、「インシビリティの発生メカニズム」や「心理的安全性やハラスメントとの関連性」について解説いただきます。また、講演後半では、実際に職場改善に向けた取り組みを実施していく中での障壁や、それを乗り越えるためのポイントについてお伝えいたします。
私たちピースマインドは、25年以上に渡り、年間約1,400社の組織に向けて、EAP(従業員支援プログラム)相談窓口の提供や、ストレスチェックをはじめとした組織分析、職場改善コンサルティング、ハラスメント対策の研修・トレーニング等を提供してきました。
津野准教授の先進的な研究に基づくエビデンスと、当社がはたらく人と組織の課題解決をご支援する中で蓄積された知見やデータをもとに、「インシビリティを放置することのリスク」「インシビリティに注目することで、どのような課題解決に繋がるのか?」「企業としてインシビリティに向き合う意味はどこにあるのか?」など、全ての従業員が健康的に尊重し合って働くことができる、ハラスメントのないより良い職場環境づくりに向けた改善案を提示します。
―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。
「一通りのハラスメント対策を打ったけれど、ギスギスした職場環境は変わらない」「社員一人ひとりの意識を変えることは難しい」といった課題をお持ちの担当者も少なくないかと思います。従来の施策では解決できなかった課題の根幹には、「インシビリティ(人としての礼節の欠如)」の問題が関わっている可能性があります。
本講演が、「インシビリティ」について知識を深め、組織が抱える人の課題を解決するヒントとなれば幸いです。質疑応答の時間もありますので、人事担当としての現場でのお悩みなど、この機会にぜひご質問ください。
- 荻原 英人氏(おぎわら ひでと)
- ピースマインド株式会社 代表取締役社長
- 国際基督教大学卒。1998年メンタルヘルスサービスのピースマインド創業。日本・アジアにおけるEAP(従業員支援プログラム)サービスのパイオニアとして「はたらくをよくする」事業を推進。Forbes JAPAN「日本のインパクト・アントレプレナー35」選出。著書『レジリエンス ビルディング』。
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