講演者インタビュー
人生100年80歳現役時代を生き抜くには? ~ミドルシニアのキャリア自律と本質的なリスキリングを学ぶ
株式会社ライフシフト 代表取締役会長 CEO/多摩大学大学院 名誉教授
徳岡 晃一郎氏
今、あらためてリスキリングをすべき理由は、果たしてどこにあるのでしょうか? デジタルのスキルを身につけることはもちろん重要ですが、大切なのはその先に何を目指すかという視点です。ミドルシニアも含め、個人の人生を永続的に豊かにし、企業や社会の活性化を目指すために、本講座では、これからのリスキリングに大切な「4つのS」という視点から、DX(手段)に留まらない「戦略的リスキリング」の極意を学びます。
―― 今回の貴社講演はどのような課題をお持ちの方向けの内容でしょうか?
人生100年時代を迎える中で、ビジネスパーソンの学び直しが改めて注目されています。一方で、施策導入された企業の人財開発責任者様からは、以下の様な課題をお聞きします。
・「リスキリング」という言葉は一般的に、「DXに乗り遅れないようなスキルを身につけましょう」と認識され、わが社もその様な研修施策を実行したが、果たして効果的な従業員の学び直しか疑問に思える。
・他社に負けじと、手当たり次第に、豊富なeラーニング研修メニューを導入したが「にわか学び直し」の感があり、正直、効果が期待できない。
・ミドルシニア従業員は「デジタルのスキルなんて今更無理だ」との諦めの気持ちがある。逆に会社が言う通りに、デジタル化さえ学べば、他の事は学ばなくてよいという風潮が感じられる。
「リスキリング」や「学び直し」の言葉自体が目的化している課題に対し、なぜ学ぶのか、目的意識を持った「戦略的リスキリング」の重要性をお伝えします。
―― 今回の講演の聞きどころ・注目すべきポイントをお聞かせください。
ビジネスパーソン、また特にミドルシニア従業員において、キャリアレジリエンス(強いキャリア耐性)に必要な「リスキリング」や「学び直し」とは何か、本当に身に付けるべきは何かを学びます。
・何を学ぶべきか、どのように学ぶべきか、という点に気を取られるのではなく、戦略的リスキリングとして「なぜ学ぶのか」「どのような目的を達成するために学ぶのか」の視座に立てます。
・デジタル社会の進展を活用する力を意識して、未来を見通し、バックキャストして、今の自分のスキルをどう広げるのかを考えます。また目の前の課題をこなすスキルに注目した一過性ではなく、リスキリングの本質である学び続けることの大切さを学びます。
・手当たり次第に学ぶのではなく、リスキリングを体系化し、シナリオ思考(Scenario)、スピード感(Speed)、サイエンスマインド(Science)、セキュリティ感度(Security)の「4つのS」を身に付ける観点からの具体的なリスキリングを提案します。
―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。
リスキリングのハウツーに関する著作や記事は多数出ており、リスキリングの対象となる項目を辞書のように列挙したハンドブックも容易に手に入ります。そこには幅広い範囲を網羅した情報もあれば、デジタルのような特化した専門分野に注目したものもあります。
このようにリスキリングの戦術論や具体論が乱立する中で、繰り返しになりますが、何を学ぶべきか、どの様に学ぶべきか、という点ばかりに気を取られるのではなく、「戦略的リスキリング」として、「なぜ学ぶのか」「どのような目的を達成するために学ぶのか」という視座を持つことが大切です。その上でリスキリングを始めるべきです。
企業の人材開発責任者様のお悩み解決のヒントになる様、人生100年時代を迎えて将来のキャリアに向けた学び直しを志す方、ミドルシニアや次世代を担う若いビジネスパーソンに対して、「4つのS」を軸に、進むべき方向性を提示できればと考えています。
- 徳岡 晃一郎氏(とくおか こういちろう)
- 株式会社ライフシフト 代表取締役会長 CEO/多摩大学大学院 名誉教授
- 東京大学教養学部卒業。オックスフォード大学経営学修士。人事、企業変革、社内コミュニケーションのコンサルティング事業を統括。一橋大学野中郁次郎名誉教授との共同研究によるMBB(思いのマネジメント)第一人者。主な著書に『MBB:「思い」のマネジメント』『リスキリング超入門』『イノベーターシップ』等多数。
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