講演者インタビュー
キャリア自律は「個をどう活かすか」から導く
Will-Can-Mustではたどり着けない成長ステップ
株式会社シェイク 代表取締役社長
吉田 実氏
近年、社員のキャリア自律への意識の低さや浸透の難しさに関する悩みを伺うようになりました。対策として、Will-Can-Mustを活用し、キャリア自律を促しているとお聞きしますが、それだけでは不十分だと考えます。本講演では、慶応大学名誉教授花田先生のキャリア自律の考え方に基づき、社員個人をそれぞれどう活かしていくかをお話しします。また、すでに新たな成長ステップを歩んでいる実践事例もご紹介します。
―― 今回の貴社講演はどのような課題をお持ちの方向けの内容でしょうか?
社員一人ひとりのキャリア自律の必要性がある中、「制度を整えたが効果が出ていない」「離職が促進されそう」と言った声を聞きます。一方、若手社員の多くは「やりたいことが分からない/将来が不安だ/成長していない気がする」とキャリアに不安を感じているようです。
昨今、若手社員の転職も多くなっていますが、やりたいことが明確にあって転職するというよりも不安な心理状態から転職サイトや友人の声を聞き、更に不安が増し、キャリアの正解を探して転職している人が多いように感じられます。また、中堅やミドルシニア世代においても、自身の意識変化を考えるより「キャリアは会社から提示してほしい」というような姿勢もあるようです。
いずれの世代も個々に応じたアプローチが必要な中で、どんな施策が有効なのか迷っている/今実施している施策が正しいのかわからない人事の皆様に向けての内容となります。
―― 今回の講演の聞きどころ・注目すべきポイントをお聞かせください。
今回の講演のポイントは以下の三つです。
一つめは、「『キャリア自律』とは何なのか?」「我々はどのようなメッセージを社員に発していけばよいのか?」についてお話します。そもそもキャリア自律と言いつつ、「間違ったメッセージではなかったか?」「育成は適切であったか?」など、自社の取り組みと照らし合わせて考えていただければと思います。
二つめは、「キャリア自律促進の制度や仕組みを整えることで、満足してしまっていないか?」についてお話しします。一言に社員のキャリア自律を促すと言っても、社員の置かれている環境や状況は多様です。また、価値観も多様化した中で、仕組みや制度を作っただけでは社員の意識変化まではつながりにくいのが現状です。外発的動機づけだけでなく、継続的に社員自らが自身のキャリアを考え、行動を起こすために必要な内発的アプローチの方法をともに考えていきたいと思います。
三つめは、すでに実践施策を行っている会社の事例をひも解きながら、「若手社員、中堅社員、支援する管理職層において、どのような施策を各社行っているのか?」についてお話しします。各社の狙いもあわせてご紹介します。
視聴される皆様も自社の取り組み状況を鑑みながら、「キャリア自律とは何か?」「社員のキャリア自律促進のために自社なら何ができるのか?」を共に考え、情報交換ができればと思っています。
―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。
外部環境が変わり不安定な状況だからこそ、不安をあおるだけの外圧的なアプローチや制度や仕組みだけを整える外発的アプローチだけでは足りません。キャリア自律のマインドを醸成する内発的なアプローチによって、自分を見つめ自分の可能性を切り拓くカードをめくり続ける人材を育てることが重要です。
- 吉田 実氏(よしだ みのる)
- 株式会社シェイク 代表取締役社長
- 大阪大学卒業後、住友商事株式会社に入社。携帯電話事業開発に従事。2003年に株式会社シェイクに入社。人材育成事業を立ち上げ、営業責任者として組織拡大に貢献。2009年より現職。現在はリーダーシップ開発の専門家として、企業の人財開発支援に携わる。
「日本の人事部」「HRカンファレンス」「HRアワード」は、すべて株式会社HRビジョンの登録商標です。
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