［主催］日本の人事部「ＨＲカンファレンス」運営委員会［後援］厚生労働省
講演者インタビュー
自走型組織に近づけるためのサーベイの活用方法
意識改革と関係構築から取り組む組織開発のポイントとは
株式会社JTBコミュニケーションデザイン HRコンサルティング事業局 シニアコンサルタント
森田 朋宏氏
従業員サーベイを実施しているものの、結果確認に留まり組織の変革に活用できていない企業が多いのではないでしょうか。サーベイの結果を従業員の意識や組織内の関係構築改善の施策に活かすための取組みは、従業員に協力的になってもらうための準備から始まります。本講演では、事前準備の注意点から、結果をどのように組織開発の施策へ活かすのか、課題別の施策事例を交えて「自走型組織」に近づくためのヒントをお伝えします。
―― 今回の貴社講演はどのような課題をお持ちの方向けの内容でしょうか？
人的資本経営への取組みの一つとしてエンゲージメントサーベイを実施する企業が増えています。HRテックツールの普及とともに、サーベイを活用して組織の状態や従業員の意識レベルを計測する動きはこの数年で非常に活発になっており、非常に良い傾向だと思います。
一方、組織風土改革や経営施策への取組みにつながっていないという声も多く聞きます。そこで、本講演では、以下のような課題をお持ちの企業の皆さまへ有用な情報を提供します。
１．実施前
・「従業員には本音で回答をしてもらいたいが、事前に何もできていない」
・「従業員が回答を負担に感じてしまい、目的を理解してもらえていない」
２．実施後
・「経営層には結果を報告しているが、そこで終わっている」
・「従業員には結果を開示していないので、不信感をもっていないか気になる」
・「サーベイ結果をふまえた課題に対して、効果的施策がわからない」
―― 今回の講演の聞きどころ・注目すべきポイントをお聞かせください。
本講演の注目すべきポイントは、以下の3点です。
１．サーベイ目的の重要性
多くの企業では、「エンゲージメントを高めるために」「働きやすい組織風土を醸成するために」といった目的を掲げてサーベイを実施していますが、経営戦略と連動した目的を掲げて推進しているところは少ないように感じます。本講演では「経営戦略をふまえどのような目的を掲げるべきか」についてお話しします。
２．サーベイ準備の重要性
実際にサーベイ協力の指示が来て社員が回答しようとした時に、「適当でいい」と思うのか「しっかり回答しよう」と思うのかによって、その集合体であるデータの信憑性も大きく変わります。事前のアナウンスを含めて、「協力してもらうための環境づくり」はぜひ聞いてもらいたいポイントです。
３．組織課題ストーリーづくりの重要性
サーベイの結果は単なるデータでしかありませんが、このデータをどう読み解き、意味づけるかによって見えてくる課題が違ってきます。またひとくちに課題といっても、全社的課題もあれば部門課題もあり、優先順位付けも必要です。これらの課題をどのように整理して、ストーリー化するかが大きなポイントです。そしてそれらの課題を解決するための施策が必要です。施策を検討する際のポイントについて、JTBグループによる豊富な実績をもとに、事例を交えながら、施策をガイドライン風にお伝えします。
―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。
人財開発と並ぶテーマとして組織開発が近年注目されていますが、そこには決まったゴール、やり方はありません。1社1社置かれた状況も異なるため、企業に合ったアプローチを独自に模索しなければなりません。ただ、セオリーについては共通する部分があると考えます。本講演を通じて、参加してくださる皆さまには自社に適応できるエッセンスを掴み、今後に活かしていただければと思います。
- 森田 朋宏氏（もりた ともひろ）
- 株式会社JTBコミュニケーションデザイン HRコンサルティング事業局 シニアコンサルタント
- これまで4社のコンサルティング会社で一貫して組織・人事コンサルティングに従事。支援企業は中堅クラスを中心に100社を超える。基幹人事制度、高年齢者活用及び退職金・企業年金制度改革等の制度改革コンサルティングから、近年は組織開発や人財育成に注力している。ISO30414リードコンサルタント／アセッサー。
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