人と組織について体系的に学ぶイベント

日本の人事部「HRカンファレンス2023-秋-」 
	2023年11月14(火)・15日(水)・16日(木)・17(金)・21(火)・22日(水)開催 [主催]日本の人事部「HRカンファレンス」運営委員会[後援]厚生労働省

講演者インタビュー

日本の人事部「HRカンファレンス2023-秋-」トップ 講演者インタビュー 萓 忠義氏(学習院女子大学 国際文化交流学部 教授、博士(応用言語学))インタビュー

グローバル人材に求められる英語コミュニケーション力とは
〜英語運用能力の測定方法〜

萓 忠義氏 photo

学習院女子大学 国際文化交流学部 教授、博士(応用言語学)

萓 忠義氏

海外との商談が日常となった今、業務で使える英語コミュニケーション力はグローバル人材に必須な条件となっています。しかし、英語運用能力の高い人材を採用することは容易ではありません。その一方で、日本では、依然、TOEIC® Listening & Reading Testの指標でしか語られることがない英語力に対して、今回、新たな指標としてCEFR基準の英語運用能力測定について紹介します。(協賛/ピアソン・ジャパン株式会社)

―― 今回の貴社講演はどのような課題をお持ちの方向けの内容でしょうか?

現在、多くの日本企業が、採用、昇格、海外赴任者の選考を行う際の英語力の基準として、TOEIC® Listening & Reading Test (以下、TOEIC) のスコアを用いています。しかしながら、このスコアのみで実際に使える英語運用能力を判断することは不可能だと言えます。この点は一般的に広く認識されているものの、TOEIC に代わるテストについての情報が少なく、「どのようなテストが、ビジネスシーンで使用される英語力を的確に評価できるのか分からない」と思われる企業の方々も多いのではないかと思います。

今回の講演にご参加いただきたいのは、「TOEICで測られる2技能だけでは十分な評価ができない」と感じている企業の人事部門や採用担当者の方々です。また、海外赴任者を選考する際の判断材料として、より緻密な評価システムを求めている人材開発担当者の方々にも参加いただきたいと考えています。

―― 今回の講演の聞きどころ・注目すべきポイントをお聞かせください。

今回の講演では、以下の4点が主要なポイントとなります。

1. まずは、TOEICには限界があり、その評価基準にも問題があるという点です。このテストは英語力を測る一つの指標と言えますが、これ単体で英語運用能力を総合評価することはできません。具体的なビジネスの場面で、どのようなスキルが TOEIC では測定できないのかを明示します。

2. 次に、ビジネスの現場での英語を測定するには、CEFR基準の4技能テストが必須だという点です。なぜこの国際的な言語能力基準が求められるのかを詳しく説明します。

3. さらに、企業内での英語活動の多様性を考慮し、役職や年齢に応じて、いかに英語評価基準をカスタマイズすべきかという視点も重要なポイントです。例えば、若手社員に必要な英語スキルと、上層部の役員に求められる英語スキルは必ずしも同じではありません。これらの差異を捉えて、効果的な人材評価をするための提案を行います。

4. 最後のポイントは、「プラグマティックなスキル」の価値です。これは、英語を用いて目的達成を図るための実用的なスキルを指します。例えば、商談における交渉力や、チーム内でのコミュニケーション能力など、単なる言語能力だけでは測れない能力がビジネスの現場には求められるのです。これらのスキルの重要性と評価方法についてご説明いたします。

―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。

今回の講演を通じて、英語能力評価における新たな視点を共有したいと思っています。TOEICのような2技能テストの限界を理解し、ビジネスシーンでの英語の評価方法は進化し続けるべきであると認識し、より実践的な評価の方法を模索することが私たちにとって急務となっています。そのような中で、人事や採用、人材開発の部署の方々は、実務を通じて英語評価の課題・問題点を直感的に感じていることと思います。そのような方々に向けて、国際的CEFR基準による4技能評価や、企業のニーズに合わせた評価方法のカスタマイズについて、具体的な提案を行いたいと考えています。本講演から皆様が新しい視点やアイディアを得ていただければ幸いです。

皆様の積極的な参加を心よりお待ちしております。

  • この記事をシェア
  • X
受付終了
講演者プロフィール
萓 忠義氏(かや ただよし)
学習院女子大学 国際文化交流学部 教授、博士(応用言語学)
学習院女子大学教授。学習院女子大学 語学教育センター長。応用言語学博士。上智大学外国語学部英語学科卒業後、同大学院を経て、米国北アリゾナ大学にて博士号を取得。東京大学、早稲田大学、立教大学、上智大学、国際基督教大学などでの教授経験もあり、応用言語学に基づく英語学習法を提唱している。

「日本の人事部」「HRカンファレンス」「HRアワード」は、すべて株式会社HRビジョンの登録商標です。
当社はプライバシーマーク取得事業者です。類似のサービスやイベントとの混同にご注意ください。

pagetop